研究課題/領域番号 |
20K11913
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
梅原 広明 国立研究開発法人情報通信研究機構, 脳情報通信融合研究センター脳情報工学研究室, 研究マネージャー (60358942)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 脳波計測 / 時系列解析 / ベイズ推定 / ハイパーパラメータ推定 / 脳波加速度同時計測 / ハイパーパラメータ最尤推定 / 最大事後確率推定 / 最尤推定 / 運動アーチファクト / インパルス応答 / mTRF |
研究開始時の研究の概要 |
脳波計測が生活の質向上に有用であることが示され始めており,実環境での身体運動に伴う脳波以外の電位変動(アーチファクト)を除去する技術が不可欠となっている.さらに,装着の煩わしい導電性ジェルが不要な電極を用いたウェアラブル脳波計が普及しつつある.しかし,装着容易性を上げるために柔軟構造・柔軟材料を用いざるをえないことが運動に伴う計測系由来アーチファクトを増大させてしまう問題がある.本研究では,運動によって電極にかかる外力及び弾性による応力を計測し,人体と脳波計とをマルチボディダイナミクス系として捉えた力学量を活用し,これらのインパルス応答として計測系由来アーチファクトをベイズ推定で求める.
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研究成果の概要 |
装着容易性・快適性を保つばね型ドライ電極を用いて,実環境下による身体運動が伴う脳波計測技術を確立させるため,速度が変動する状況下における歩行中聴覚課題に対する脳波及び電極にかかる加速度の同時計測から,脳波計が動くことによって引き起こされるアーチファクトを低減する推定法を完成させた.本手法の特長は推定精度を上げるために推定モデルに人為的かつ不可避的に導入したハイパーパラメータをもベイズ推定の枠組みで最尤推定させられることである.歩行しながら聴覚オドボール課題を課した際の脳波計測実験において,聴覚オドボール課題で出現する脳波成分を残したまま運動アーチファクトを低減させられることを示した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
効果的なリハビリや英語学習等につなげる等の生活の質の向上につながる脳波計測技術が確立され始めている.それに応じて,実験室ではなく生活する環境下でも脳波計測ができるよう,装着が容易で束縛の少ない脳波計も開発されている.しかし,簡単に快適に装着できるようにするため電極等が柔軟構造になっているため,計測時は依然として身体固定を課している.本研究では,身体運動が伴うような状況下で発生してしまう大きなノイズを低減させて,脳波計測の精度を上げる確率モデルを組み確実に推定するという学術的意義の高い手法を確立させ,生活環境下における脳波計測の実現に近づけ,生活の質を高めることに資するという社会的意義を有する.
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