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デジタル機器を用いた人にやさしい文章提示の検討:多感覚的文章認知特性

研究課題

研究課題/領域番号 20K11927
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分61020:ヒューマンインタフェースおよびインタラクション関連
研究機関青山学院大学

研究代表者

植月 美希  青山学院大学, コミュニティ人間科学部, 准教授 (70431781)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 130千円 (直接経費: 100千円、間接経費: 30千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
キーワード文字入れ替え検出課題 / 視覚 / 言語 / 文章認知 / 多感覚 / デジタル文章表示 / 人にやさしい / 実験心理学的手法
研究開始時の研究の概要

近年、デジタル技術が急速に拡大し、文字をコンピュータディスプレイ上で提示する方法が広く浸透している。しかし、紙と比較し、デジタル機器で文章を読む場合に、その言語処理メカニズムがどのように異なるのかは、ほとんど検討されていない。そこで本研究ではまず、紙による文章表示とデジタル文章表示において、言語処理がどのように異なるのかを、実験心理学的手法により定量的に検討する。そして、デジタル文章表示技術を活かして多様な言語入力を行い、複数の感覚からの言語入力に対する読文処理の認知特性を、実験心理学的手法により定量的に検討し、モデル化する。そして、その知見を踏まえ、多様な「人にやさしい文章表示」を検討する。

研究実績の概要

研究内容に大きく関わる文字入れ替え検出課題について、引き続き、視覚心理学の視点から、視覚的な文字入力の文字識別を含めた読みのモデルについて先行研究のサーベイを行った。その結果、文字入力に関しては様々な処理モデルが提案されているものの、妥当性が高い文字識別を含めた読みのモデルが少ないこと、また、文字識別に関してもまだ知見の蓄積が不十分な点があることが分かった。そこで2022年度は、文字識別のモデルについて日本語から検討可能な点について、実験的に検討した。具体的には、文や文章を読む際に生じるクラウディングは、記号(「$」などの記号文字)に比べ、文字(「a」など)では弱まることが既に分かっているが、これは、セルビア人などの横書きに偏った読み経験を持つ被験者を用いて、横書きの文字でのみ確認されており、縦書きではそ のような結果は得られていない。そこで本研究課題では、縦書きにも横書きにも豊富な読み経験を持つ日本人被験者を用いて、この点について研究協力者とともに実験課題や実験方法についてのディスカッションを行い、カタカナ文字を使って実験的検討を行った。その結果、縦書きと横書きの両方に豊富な読み経験を持つ日本人では、縦書きと横書きの両方で、文字のクラウディングの影響は、記号に比べて弱くなっていることが明らかになった。そこで2023年度は、ひらがな文字を使用して、昨年確認された知見がカタカナのみに見られるものなのか、ひらがなでも見られるのかを検討し、この特性が言語に依存するのかカタカナという文字種に依存するのかを検討した。その結果、ひらがなでもカタカナと同様の知見が得られた。したがって、文字識別・文字処理のシステムが、読みの経験や言語を反映していることが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響で、勤務先の大学は2020年度は1年間オンライン授業となり、学内への立ち入りに制限があった。そのため、一部の予備実験等の実施が困難であったため、計画に遅れが生じている。しかしながら、2021年度に実験用機材(眼球運動測定装置)の選定・購入を行い、2022年度からは実験を再開でき、その遅れは一部にとどまっている。

今後の研究の推進方策

2022年度に英語のアルファベットや日本語のカタカナ文字を使用して、文字の識別・クラウディングに関する実験を行ったが、その結果、縦書きと横書きの両方に十分な読みの経験がある日本人では、縦書きでも文字に関しては記号に比べてクラウディングの減少が見られるなど、読みの経験が視覚的な文字識別・読み処理に影響することが確認できた。 さらに、2023年度に行った実験では、ひらがなでもカタカナと同様の現象が確認された。そこで2024年度は、まずは2022年度、2023年度に得られた知見を論文としてまとめ、発表することを目指す。並行して、文字認知に関して、眼球運動測定を伴う実験を行う予定である。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2024 2023 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] “Textual Prosody” Can Change Impressions of Reading in People With Normal Hearing and Hearing Loss2020

    • 著者名/発表者名
      Uetsuki Miki、Watanabe Junji、Maruya Kazushi
    • 雑誌名

      Frontiers in Psychology

      巻: 11

    • DOI

      10.3389/fpsyg.2020.548619

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 和文読文能力と動的視覚情報処理の相関関係の検討2024

    • 著者名/発表者名
      中山遼平・植月美希・丸谷和史・竹村浩昌
    • 学会等名
      日本視覚学会2024年冬季大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 日本人における文字列読み時のクラウディングの減少2023

    • 著者名/発表者名
      植月美希・丸谷和史
    • 学会等名
      日本心理学会第87回大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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