研究課題/領域番号 |
20K11945
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 日本文理大学 |
研究代表者 |
藤田 浩輝 日本文理大学, 工学部, 教授 (00315110)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | スペースデブリ観測 / 軌道上物体群特徴分類 / 軌道上物体同定 / 人工天体軌道情報(TLEデータ)活用 / デブリ群軌道特徴分類 / 観測実測値・予測値間相関解析 / スペースデブリ特徴抽出 / 破砕物体群軌道特徴分類 / 地上観測計画立案手法 / 宇宙状況認識 / スペースデブリ / 破砕起源同定 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,まず,カタログ化された既知の破砕由来デブリのTLEデータと軌道伝播計算コードを用いた予測観測データに基づき,Admissible Regionと軌道要素(軌道長半径,離心率等,一般に6種類ある独立な物理量)との関係について,十分な調査・解析を行う. さらに,観測ターゲットの同定解析が十分に行われた実観測データ(レーダー観測および光学観測データ)を用いて,上記予測観測データから得られる解析結果との比較・検証を行い,実観測データに含まれる多数の破砕由来の物体識別と分類を行う手法の導出を行う. 最終的には,市販の光学望遠鏡を用いた観測計画立案と観測実験を実施し,提案手法の実証を試みる.
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研究実績の概要 |
本研究の実施計画にしたがい,前年度(2021年度)までに破砕によって生じた地球周回低軌道上の人工物体の軌道特徴による分類手法導出と,北欧にあるEISCATレーダーを用いて得られた観測データへの提案手法適用を行い,実際に分類結果を得ることができた.一方で,カタログ化された既知物体(カタログ物体)の軌道情報に基づき,実観測データに対してそのようなカタログ物体と直接相関付けを行うための相関解析(同定解析)を昨年に引き続き実施した. 特に今年度(2022年度)は,相関解析を行う際の3種類の誤差要因を明確に想定した上で,誤差の影響を改善する解析手法を導出すると共に,過去6年分のEISCATレーダー観測実験データに対する解析を実施した. その結果,3種類の誤差要因のうち,レーダー観測特有の距離測定誤差に伴う相関解析への影響は明確に見られないことや,「サイドローブ」とよばれる,特定の観測方向・時間の周囲に存在する物体へ検出感度を持ちうることを要因とする誤差については,その影響を解析に用いる相関関数に陽に組み込むことでより妥当な解析結果が得られることが分かった. また,相関解析によって最終的にカタログ物体として同定されたレーダー検出物体の全観測物体数に対する割合は,観測日時(固定方向への観測日および時間帯)や観測方向(仰角および方位角)に依存し,同じ観測方向・観測時間帯(3-7時間)であっても観測年によって,検出物体数とともに大きく変化し,検出物体数が極端に多くなる観測方向・時間帯においては,上記残り1つの解析誤差につながる可能性があることが分かった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
観測された低軌道上物体群の特徴分類やカタログ物体との相関解析手法の導出,および,過去のレーダー観測実験データ解析と並行して行う予定だった市販の天体望遠鏡を用いた光学観測実験に関して,主に新型コロナウイルス感染拡大の影響により,研究や研究を遂行するために必要な機材導入や実験準備が大幅に遅れている状況である. 本件に対応しては,「科学研究費助成事業補助事業機関延長」の申請(2023/2/8)を行い,承認を得ている(2023/3/13付).
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今後の研究の推進方策 |
今後,本研究課題において計画されていた市販の天体望遠鏡(光学観測)による低軌道上物体観測実験を実施する. 最終的には,過去に行われたレーダー観測と同様の観測結果(低軌道上物体群の検出)の取得を目指し,その結果を用いて本研究で導出された特徴分類およびカタログ物体との相関解析を実施する予定である. 市販の観測機材を用いた光学観測の場合,天候や装置仕様上の制限(軌道を周回する観測ターゲットに対して高速・高精度に追尾を行うための機能不足)等の影響で十分な観測が行えない可能性があるため,極力観測回数を増やすことで実験結果(観測物体数)の向上を図る.
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