研究課題/領域番号 |
20K12007
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61050:知能ロボティクス関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
大川 一也 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (50344966)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | LSTM / 位置推定 / IMU / 単眼 / 経路積算 / ナビゲーション / 偏光コンパス / 社会性昆虫 / 生物規範工学 / センサフュージョン / 深層学習 |
研究開始時の研究の概要 |
サハラ砂漠で生息するCataglyphisという蟻やミツバチは,右に左に彷徨いながら餌を探すものの,餌を見つけると直線的な経路で巣に向かうことから,何らかの位置推定をしていると考えられる.この位置推定の手法は,生物学者の中では経路積算説が有力である. 本研究では,この説に対して,工学的なアプローチによって経路積算の可能性を明らかにする.具体的には,昆虫の感覚器を模倣したセンサを移動ロボットに搭載し,得られたデータを深層学習に組み込むことで検証する.また,実験の結果に基づいて,今までのロボット工学にはない新しいナビゲーション手法を確立する.
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研究成果の概要 |
サハラ砂漠で生息するCataglyphisという蟻は,連続した細かい移動の軌跡を足していく経路積算によって位置推定していると考えられている.しかし,移動量と向きの統合方法についての有力な説はない.本研究では,深層学習の一つで時系列情報が扱えるLSTMを用いて統合させることとした.実験では,移動量を計測するための加速度センサ,向きを計測するための角速度センサを搭載した移動ロボットを製作した.また,高精度なRTK-GNSSから得られる位置や速度を真値とし,それに基づいてLSTMの学習を行った.結果としては数学的な数値積分によって算出した従来手法よりも,高精度に位置推定ができることを確認した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サハラ砂漠で生息するCataglyphisという蟻は,連続した細かい移動の軌跡を足していく経路積算によって位置推定していると考えられているが,蟻が餌を探してさまよいながらこれらの計算をしているとは考えにくい.その一方で,近年の深層学習を用いることで動物のような知的さを人工的に機械に持たせられるかもしれない.そこで,生物学者による「経路積算説」を採用するものの,謎とされている「距離」と「向き」の統合部分を深層学習で学習させる手法を提案することとした.結果としては,計測誤差の影響を受けにくい計算ができるようになり,従来手法よりも良い結果が得られた.
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