研究課題/領域番号 |
20K12024
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
秋山 庸子 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50452470)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 触覚 / アクティブタッチ / なぞり動作 / 加速度センサ / 快・不快 / 液体 / 周波数解析 / 触圧 / 主成分分析 / 触覚受容器 / 機械学習 / ヒートマップ / 摩擦 / 加速度 / 視覚 / 聴覚 / 能動的触知 |
研究開始時の研究の概要 |
アクティブタッチ(能動的触知覚)により生じる快・不快情動に対し、視・聴・触覚に関わるどのような物理的刺激がそれぞれどの程度寄与しているかを定式化し、触対象の物理量から快・不快の度合いを推定するツールを開発することを目的とする。この目的を達成するために、以下3つの段階を踏む。 ①視・聴・触覚の官能評価結果の多変量解析により快・不快の主因子を明らかにする。 ②視・聴・触覚に関係する触対象の物理的特性を機器計測し、上記の快・不快の主因子を物理量による重回帰モデルで表す。 ③視・聴・触覚に関連する触対象の物理量を入力することで、それを触ったときの快・不快を数値として示すツールを作成し、その妥当性を検証する。
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研究実績の概要 |
前年度はヒトと機械のなぞり動作の加速度データを高速フーリエ変換(FFT)によりパワースペクトルに変換し、このパワースペクトルを主成分分析により縮約して、主成分得点を説明変数、官能値を目的変数とした重回帰分析を行うことで、触感を決定づける因子を明らかにすることを試みた。その結果、主成分として感覚受容器に対応する周波数帯域に主成分が見られ、さらに、これらの主成分をもとに触感の官能値を推定したところ、ヒトの場合の方が機械の場合より高い決定係数が得られた。 しかし、これまでの研究は固体の触対象のみを対象としていたため、今年度は模擬皮膚に塗布された液体の触対象(マッサージクリーム、ハンドクリーム、エタノール、油、水等)について、なぞり動作の加速度センサによる取得と、触圧の測定を行った。その結果、模擬皮膚に対して水平方向に作用する力が小さい液体ほど、垂直方向に力が作用しやすくなることが分かった。これは、触診やマッサージ時のしこりや凝りの判別や、触る側、触られる側の快不快や触感に密接に関係していると考えられ、アクティブタッチの加速度のみならず、力の作用方向が液体の場合には重要であることが示された。 また、液体の場合は、加速度の周波数解析の特徴や触圧の特徴が粘性率のみに依存するのではないことが明らかになり、液体の性状(エマルションの種類や含水率、粘弾性パラメータ等)のほかのパラメータによって数種類に分けることができることが明らかになった。 以上のことから、固体の場合は指先に配置した小型加速度センサの短時間フーリエ変換のデータをもとに機械学習を行うことにより、高精度に推定することができることが分かったが、液体状の皮膚塗布物に関してはより複雑な機構があり、作用する力の方向については明確な特徴が明らかになったが、触感の高精度な推定のためには、さらなる検討が必要である。
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