研究課題/領域番号 |
20K12027
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
松本 和幸 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (90509754)
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研究分担者 |
北 研二 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (10243734)
任 福継 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (20264947)
吉田 稔 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 講師 (40361688)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 感性 / 感性的言語変換モデル / 攻撃的文章訂正システム / SNSテキストコーパス / 性格分析 / 感情分析 / マルチモーダル感情分析 / 感性言語モデル / 感性的言語変換 / 感性表現 / 言語モデル / 分散表現 / 感性情報処理 / 感性ロボティクス / ミスコミュニケーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,異なるコミュニティ間のテキストコミュニケーションにおいて多発する「誤解されやすい表現」の解釈や感性の違いに着目し,ミスコミュニケーションを防止するための感性を考慮した言語表現の変換手法の実現を目指す。本研究で実現を目指す手法は,属しているコミュニティや個人属性によって異なる印象を与える表現を,共通の感性的意味空間上の特徴表現に変換することによって,書き手の意図が正しく伝わるように言語変換する手法(感性的言語変換モデル)である。本手法が実現すれば、意見・評判分析,流行予測,個人適応させた対話システムなど多様な課題の解決に役立てることができる。
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研究実績の概要 |
今年度は,SNS上の攻撃的な文章をBERTを用いて安全な文章に変換する手法について「System to Correct Toxic Expression with BERT and to Determine the Effect of the Attention Value」という題目で国際学術誌(CCIS)に投稿し,掲載された。さらに,FIT2023(第22回情報科学技術フォーラム)において,「攻撃的文章判定を用いた不適切文章の訂正」という題目で研究発表を行い,研究の将来性や新規性が評価され,FIT奨励賞を受賞した。大規模言語モデルを複数試し,変換後の文章の意味的妥当性および有害性を自動または人手により評価した。X(旧Twitter)のAPI有料化に伴い,実験用SNSデータ収集が困難となり,他のソースからのデータ収集について検討した。性格別の投稿テキストコーパスも構築済みであり,このデータを用いて性格と感情の関連性を明らかにし,「Analysis of Emotional Changes in Twitter Users by Personality Type Before and After the Outbreak of the COVID-19 Pandemic」という題目で国際会議ICNC-FSKD2023で発表を行った。さらに,多層アテンション機構に基づき,マルチモーダル(画像とテキスト)特徴量およびCLIPモデルを用いた画像付きツイートデータの感性分類の研究も行い,国際会議(IFAT2024)にて,「Enhancing Multimodal Tweet Analysis Accuracy through Integration of CLIP Model and Multi-layer Attention Mechanism」という内容でポスター発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在は研究に使用したコーパスや,アルゴリズムのソースコードの整理などが完了次第,感性に特化した単語意味分散表現ベクトルについての論文を国際ジャーナルに投稿できる段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
感性的言語変換モデルの検証を進めていくために,これまではツイートテキストを対象に分析を行ってきたが,データの追加収集が難しいことから,今後は,対話システムに応用させるため,対話システムを作成して取得した対話テキストデータに対する感情分析により検証・評価を行っていく。現在,香川高専と労働者健康安全機構との共同研究において,ストレスを管理できるチャットシステムの構築に関する研究を行っており,この研究で得られたユーザの自己申告によるストレス度や感情ラベルを付与した対話AI(チャットボット)との対話データが10月~12月までにある程度収集が完了するため,このデータを使用した検証実験を行い,その成果を国際会議あるいは国際ジャーナルまたは国内学術誌に投稿する予定である。
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