研究課題/領域番号 |
20K12039
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61060:感性情報学関連
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研究機関 | 愛知淑徳大学 |
研究代表者 |
牧 勝弘 愛知淑徳大学, 人間情報学部, 教授 (50447033)
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研究分担者 |
饗庭 絵里子 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 准教授 (40569761)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 空間放射特性 / マイクロホンアレイ / マルチチャネルスピーカ / ストラディバリウス / バイオリン / 音色 / オールドバイオリン / ヘッドホン / 残響時間 / 音色評価 / 呼吸球 / ヴァイオリン / 多面体スピーカ / 楽器 |
研究開始時の研究の概要 |
18世紀初頭より前に製作されたオールドバイオリン、その中でも特に「ストラディバリウス」がなぜ傑出した評価を受けるのかは未だに解明されていない。本研究では、これまで明らかにしてきたオールドバイオリンの音色、製法および奏法の解明に繋がる音響的特徴を手掛かりにして、オールドバイオリン、その中でも特にストラディバリウスに固有の音色、製法、および奏法を総合的に解明することを狙う。これにより、木材の劣化に伴い将来消失することが避けられないオールドバイオリンの音色、製法、および奏法に関する有形・無形の文化財の継承を学術的な立場で行い、バイオリン製作およびバイオリンの奏法教育への社会的な貢献を行う。
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研究成果の概要 |
ストラディバリウスの音色の美しさはその空間放射特性に大きく依存することが、音色の美しさに関するコンテンポラリ、モダン、オールドのバイオリンとの比較評価実験により明らかになった。さらに、ストラディバリウスの空間放射特性は、空間印象だけでなく、色彩感、リアル感、深み等の様々な音色にも大きく寄与することが明らかになった。バイオリン表板全体の厚みの分布を音響的に評価した結果、オールド同士、ならびにモダン同士では分布の相関が高く、オールドとモダンの組み合わせの相関はそれらよりも低い結果となった。これは、両時代のバイオリン表板に音響構造上の違い、すなわち製法に違いがあることを示唆している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ストラディバリウスの音色の美しさがその空間放射特性に起因していることが証明され、また初見演奏ではその空間放射特性を引き出せないことを考えれば、これまでのストラディバリウスの音色評価に関する論争に一応の終止符を打つことができたと考える。また、楽器の空間放射特性の音色への寄与が実証されたため、音色を決定づける音響要因の解明が停滞している楽器の音色研究にインパクトを与えることができたと考える。さらに、オールドバイオリン表板の音響的に有効な厚みは、モダンバイオリンとは異なり、単なるサイズではなく木材の硬度等を考慮した板厚の調整が必要なことを示すことができた。今後優良なバイオリンの制作に繋がると考える。
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