研究課題/領域番号 |
20K12041
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩切 淳一 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教 (40770160)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 長鎖非コードRNA / lncRNA / リードスルー転写産物 / 難抽出性RNA / RNAーRNA相互作用 / RNA-seq / CLIP-seq / RNA-タンパク質相互作用 / 組織特異性 / poly-A化 / 細胞内局在 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒト生体内では数万種類にも及ぶ長鎖非コードRNA(lncRNA)が存在することが知られているが、多くのlncRNAの生体内機能は明らかにされていない。一方、RNA-seqなどの大規模な実験データは、学術論文投稿の際に公共データベースに登録することが義務付けられているため、論文発表に伴って膨大な量のデータがデータベース上にアーカイブされている。本研究では、これらのアーカイブデータの網羅的な再解析を通じて、その中に埋もれているlncRNAの特徴・機能情報を抽出・集約することで、lncRNA機能研究の情報基盤を構築する。
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研究成果の概要 |
長鎖非コードRNA(lncRNA)の1種であるリードスルー転写産物がヒトのどのような組織・細胞内小器官で発現しているのかを調べるため、ENCODEプロジェクトが公開している様々なRNA-seqデータの再解析を行った。その結果、リードスルー転写産物の多くは、組織特異的な発現パターンを有し、mRNAとは異なり、転写後は3'末端のpoly-A化を受けず、核内に留まっているものが非常に多いことが明らかとなった。またリードスルー転写産物の多くは、様々な細胞ストレスによって発現が誘導され、難抽出性という特徴があり、核内に存在する様々な非膜性構造体の骨格として働く可能性があることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
公共データベースにアーカイブされているRNA-seqなどの大規模な実験データは、世界中からの学術論文発表に伴って飛躍的に増大しているが、本研究で着目したlncRNAのように、それら大規模なデータの中に埋もれている生命現象がまだ多く残されている。本研究によって、lncRNAの1種である多様なリードスルー転写産物が、組織特異的な発現パターンを示すこと、様々な細胞ストレスによって発現が誘導されていること、難抽出性という特徴有すること等、徐々にその細胞内での役割の一端が明らかにされつつある。このようなアーカイブデータ再活用は、近年の深層学習等の発展に伴って、今後さらに重要になっていくものと考えられる。
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