研究課題/領域番号 |
20K12054
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 大阪公立大学 (2022) 国立研究開発法人理化学研究所 (2020-2021) |
研究代表者 |
大塚 大輔 大阪公立大学, 大学院理学研究科, 特任研究員B (40632865)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 形態形成 / 4Dイメージング / モルフォゲン / 細胞集団運動 / 器官形態形成 / 力学応答 / 運動方向のスイッチ機構 |
研究開始時の研究の概要 |
器官固有の形態は、方向依存的な組織変形が時空間的に制御されることで達成される。したがって、方向依存的な変形がいつ、どこで、どの方向に起こり、それがどのようにスイッチしていくのか、その制御機構を明らかにすることが形態形成機構の理解の本質である。本研究では細胞集団運動方向がいかにして特定の発生段階で切り替わるのかを解明することを目指す。組織の力学状態の操作・摂動を通じて、スイッチ機構に関与する化学シグナル経路と細胞の力学応答の関係性を明らかにし、得られた知見を利用して、スイッチング機構の操作に挑む。本研究の成果としては、複雑な器官構造を自由にデザインできるための基盤技術となることが期待される。
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研究成果の概要 |
SHH遺伝子欠損で起こる先天性奇形の代表例として左右の眼組織の融合が見られる単眼症が挙げられる。本研究では形態異常を引き起こす物理的なプロセスを明らかにすることを目指した。まず、形態形成に関与する細胞極性について調査を行なった結果、SHHシグナル依存的に細胞は極性を持つことが明らかとなった。さらに、SHHシグナル阻害時には細胞集団運動の方向性がランダマイズされることも明らかとなった。最後に、細胞集団運動の方向性決定と細胞の力覚の関係性について調査したところ、SHHシグナル阻害時の単眼症様の形態異常は細胞の力覚能の欠損による細胞集団運動方向の異常により引き起こされていることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではSHHシグナル経路の形態形成における新規の役割を明らかにすることができた。SHHシグナルは細胞に力覚能 (組織にかかる力を感知して、細胞の応答を変化させる能力) を付与することで細胞集団運動の制御に関与することが明らかとなった。近年、形態形成研究分野においては組織にかかる力が細胞増殖や細胞分化状態に影響することが明らかとなっているが、形態形成に重要な役割をもつモルフォゲンとの対応関係についてはほとんど明らかとなっていなかった。本研究成果はモルフォゲンと力を繋ぐ知見を提供できたと考えている。また、形態異常が生じる機構を理解できたことで、将来的な治療のための基盤となりうると考えている。
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