研究課題/領域番号 |
20K12055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
森田 雅宗 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90708504)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | w/oドロップレット / 微生物 / リポソーム / 人工細胞 / 微生物-人工細胞ハイブリッド / W/O/Wエマルション / 微生物ー人工細胞ハイブリッド |
研究開始時の研究の概要 |
真核細胞の起源やその構造的な複雑さは,生物学における大きな謎であり,微生物がホスト細胞に共生する「細胞内共生」は真核細胞の起源と考えられている。本研究プロジェクトでは,細胞内共生の初期過程における,ある種の微生物が,ホスト細胞内という微小空間かつ栄養状態も不明の中,異種微生物と共存するという特殊環境下をデザインした人工細胞を構築する。微生物がこの特殊環境に,どのように柔軟に適応するのか,遺伝子レベルからの解析を通して基礎的知見を得ることを目的とする。さらに,ホストモデル内での微生物の共生により,共生微生物に未知機能を人工的に付与し,制御するための技術開発にチャレンジする。
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研究実績の概要 |
本研究PJでは、真核細胞の起源とされる「細胞内共生」をモデルに、ホスト細胞と見立てたマイクロサイズの微小空間を人工的に作製し、微小空間内部に様々な微生物が共存するという環境をデザインし、真核細胞誕生時のような過酷な環境下を人工的に再現することで、どのように生存するのかを調査することを目指している。今年度は、細胞の大きさに近い微小空間をコントロールする技術開発として、油中水滴(water-in-oil(w/o)ドロップレット)やリポソームを作製する技術に加えて、w/o/wドロップレットを安定的に作製できる条件を検討した。また、昨年度に続き、微小空間内部に様々な微生物が共存する環境のデザインは、w/oドロップレット内に土壌細菌サンプルを内包して実験を進めた。1つのw/oドロップレット内に複数の細菌が内包できるように調整し、細菌入りw/oドロップレットを作製し、高温下での培養を試みた。デジタルドロップレットPCR(ddPCR)に用いられる系のように高温下でもw/oドロップレットのサイズや形状は確保されると予測したが、w/oドロップレットの融合が見られ、安定性に課題があることが明らかになった。w/oドロップレットの融合は見られたが、水相部に目視で細菌を確認することができたので、次に再培養を試みたが、ほぼ同一種の細菌が培養されていた。細菌の多様性が、再培養の時点で失われている可能性があり、今後、再培養の方法についても別のアプローチが必要であることがわかった。現在、高温下でのw/oドロップレットの安定性について改善するか検討しており、今後は高温下の条件でも十分に培養が行えるのでないかと期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は、マイクロサイズの微小空間としてw/oドロップレット、リポソームに加えて、w/o/wドロップレットを作製できるか検討し、ホスト細胞と見立てたマイクロサイズの微小空間での微生物の培養を試みた。マイクロサイズの微小空間作製については、一定の成果を得ることができた。しかし、高温下でのw/oドロップレットの培養時における安定性と得られた細菌の多様性が再培養時に失われたところに新たな課題が見られた。そのため、当初予定していた、長時間の培養というアプローチ方法を見直さなければいけない可能性が示唆された。現状では、研究進捗に若干の遅れが見られるが、 上記でも記述したように高温下でのw/oドロップレットの安定性について改善する可能性があるので、今後の長時間培養とそれによって得られるデータを定量的に分析できることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、まず高温下のw/oドロップレット内で環境微生物サンプルの長期間培養を実現し、高温下で長期的に生存できる微生物の種類を、再現よく定量的データを得ることを目指す。また、マイクロサイズの微小空間として、油/水系のw/oドロップレットだけでなく、水/油/水系のw/o/wドロップレットや完全溶液中のリポソームを用いて、同様の実験が検討できるか進める。これにより、ホスト細胞モデルとして利用するw/o/wドロップレットやリポソームに人工的な機能を付与することで、外部環境を様々に制御できるようにすることで、内部の細菌の機能を制御できるような技術開発にも挑戦する。
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