研究課題/領域番号 |
20K12071
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62010:生命、健康および医療情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
加藤 護 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, 分野長 (40391916)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | がん細胞進化 / 計算機シミュレーション / 個別化医療 / がんゲノム医療 / がん細胞 / シミュレーション / がんのクローン進化 / 腫瘍内多様性 / 個人化医療予測 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞のクローン進化は腫瘍内多様性を生み、患者の治療効果や予後に重大な影響を与える。研究代表者は、がん関連遺伝子の観測値データと6つのがんホールマークとを結び付けてがん細胞進化を模す、計算機シミュレーション・モデルを開発した。本研究ではプログラムを発展させ、患者のNGS由来VAF(変異のがん細胞集団頻度)データへの本格的な適用を実施し、がん細胞進化における具体的な遺伝子機能の役割を解明する。最終的には、どの遺伝子を遮断すれば、がん細胞数=10の12乗(死に至る細胞概数)に達するまでの時間を遅延できるかという、計算機シミュレーションによる個人化医療予測を可能にすることを目標とする。
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研究成果の概要 |
TCGAデータベースにあった73歳の大腸がん男性患者のVAF(変異アレル頻度)データに対してシミュレーションを行い、APC, KRAS, PIK3CA の異常をブロックしてもがん細胞増殖に影響はないが、TP53 異常をブロックしたときのみ転移細胞が増殖しないことを予測した(Nagornov and Kato, 2020)。その後、データ表現を細胞ベースからクローンベースにする事で、計算高速化を達成した(Nagornov, et al, 2020)。これまでの点変異に加え、CNA (コピー数異常)と腫瘍率を取り入れたモデルを実装した(manuscript in preparation)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
73歳大腸がん男性患者の実データを例に、遺伝子変異をNGS(次世代シークエンサー)で測定し、腫瘍内不均一性を考慮した数理シミュレーション・モデルを使って、個別化医療を実行する原理的可能性を、世界で初めて示した。どの遺伝子を遮断すればがん細胞が増殖しないか、数値シミュレーションで予測できる。これはすなわち、どの分子標的薬を使えば効果が見込めるかの、シミュレーションを用いた全く新しいタイプの個人化医療である。
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