研究課題/領域番号 |
20K12116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62030:学習支援システム関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
嶌田 聡 日本大学, 工学部, 教授 (90713123)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 危険予知トレーニング / リスクマネジメント / 実践知 / 深層学習 / 映像教材 / 一人称視点映像 / 動画編集 / 画像修復 / GAN / 類似画像検索 / CNN / 技能伝承 / 経験学習 / オープンラーニング |
研究開始時の研究の概要 |
山岳事故の防止対策として、従来の山岳会などの組織を前提とした方法に代わる、山岳会に属さない未組織登山者に適した新しい育成方法が求められている。本研究の目的は、ヒヤリハット体験を起点にしたコミュニティ協調行動により、登山経験の少ない初級者でも自主学習で実践知が獲得できる実践知の伝承コミュニティが創出できることを明らかにすることである。 そのために、他者のヒヤリハット体験の閲覧時に現場の状況や事故発生の要因が想起されるようなヒヤリハットの画像化と、ヒヤリハット体験に対する利用者の学びの達成度や改善点を自己分析できる情報可視化を実現し、リスク回避のセルフトレーニング方法を確立する。
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研究成果の概要 |
登山における実践的な知識を主体的に学べるように、危険予知トレーニングの教材動画の作成方法を提案した。ヒヤリハット体験を可視化するために、登山現場の素材動画に対し、ヒヤリハット時の状況に応じた地形や山の状況を変更する画像加工を行う。シーン全体を変化させる大局的な画像加工では、霧などの状況変化を表す動画像を人工的に生成し、ソース動画像と合成する。一方、シーンの一部を変える局所的な画像加工では、変更させたいシーンを表している画像を素材動画の各フレーム画像に適切に貼り付ける。 提案方法で生成した教材動画は、登山での現場のシーンを想起させ、実践知の学びにつながる教材として有効であることを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
危険予知トレーニングを持続的に行うには適切な教材の確保が大きな課題であり、実践知の発見と共有につながる教材作成方法は未解決である。本研究では、他者のヒヤリハット体験の閲覧時に現場の状況や事故発生の要因が想起されるようなヒヤリハットを可視化した動画の生成方法を提案し、その有効性を検証した。 教材動画の生成技術を適用することで、登山のリスクマネジメントについて学びあう実践知の伝承コミュニティを創出することが期待できる。登山分野だけでなく、防災教育、レスキュー技術などの分野にも展開すれば、多くの分野において、個人の主体的な学びとコミュニティの協調行動による新しい技能伝承の基盤が実現できる。
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