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言語モデルと数理モデルを用いた思考ゲームの解析に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K12122
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
研究機関九州工業大学

研究代表者

中村 貞吾  九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (40198221)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
キーワード組合せゲーム理論 / 囲碁 / 局面解析 / 解説 / ゲームプログラミング
研究開始時の研究の概要

囲碁は別名「手談」と呼ばれるように,対局は着手を通じたコミュニケーションであるとみなすことができる.思考ゲームの中でも特に囲碁を対象として,一局のゲームを言語的側面から捉えて記述する言語モデルを作成し,思考ゲームと言語との関係を明らかにするとともに,数理的な解析から得られた局面評価に基づいた意味論を与える.そして,ゲーム局面と自然言語との相互変換を通じて,棋譜からの解説文生成や自然言語で記述された特徴による棋譜検索など,思考ゲームに関する自然言語システムへと応用する.

研究実績の概要

人間が対戦型思考ゲームをプレイする際,プレイヤは相手の着手からその意図や戦略を見い出してそれに応えて着手を行なっており,対局は着手を通じた言語的コミュニケーションであると考えることができる.本研究は,思考ゲームの中でも特に囲碁を対象として,局面を言語的に記述し,さらに局面を数理的に解析した結果を意味として与えることで,ゲームと言語との関わりを明らかにすることを目的とする.人間がゲーム局面を理解してプレイするためには,盤面全体を漠然と画像的に眺めるのではなく,盤上の数々の特徴をとらえた上で,それらの関連性を認識して論理的に積み上げていく過程が重要であり,これを言語モデルになぞらえてモデル化することを目指しており,自然言語を用いた棋譜解説など,ゲーム局面から自然言語表現への変換は重要な課題である.
囲碁局面や着手を言語的に記述するにあたって,ある着手が局所的には同じ配置のように見えても,周囲の状況や打たれた手順によって異なる囲碁用語が使い分けられるため,着手の役割・意図やゲームの内容を正しく伝えるためには,囲碁用語を適切に使用する必要がある.我々は,着点を中心とした部分領域内の配置と手順情報に加えて盤面全体の解析から得られる勢力情報がその部分領域に及ぼす影響を考慮したニューラルネットワークを構築し,解説記事中の囲碁用語を用いて機械学習することによって適切な囲碁用語の選択を行なった.また,対局中の各着手の中から解説すべき着手を選出するために,着手前と着手後の局面の状況の変化や,探索量の変化にともなう着手評価の変動に着目して特徴的な着手を判別した.さらに,一局の形勢の推移の状況に基づいて棋譜をクラスタリングして,それに付随する解説記事から棋譜分割の特徴や解説文パターンを獲得する手法を示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

これまで,囲碁局面や着手を適切な囲碁用語を用いて記述するための用語選択手法と特徴的な着手の選出手法や棋譜分割の手法の開発を中心に研究を行なってきたが,個々の着手の表現をもとに,新聞や雑誌の観戦記で使用されている局面表現や解説文の表現パターンに基づいた解説文生成を行なうまでには至っていない.また,囲碁の局面を部分局面に分割し,個々の部分局面を囲碁AIを用いて解析するとともに,部分局面間の連合関係を求める手法について検討中である

今後の研究の推進方策

AlphaGoの成功以降も囲碁AIの実力は年々進歩し,今やオープンソースの囲碁AIを用いて正確な局面評価が行なえるようになった.そこでの手法は,盤面全体を入力としてそれを直接評価するものであるが,人間がゲーム局面を理解するためには,全体局面を部分局面に分解して個々の部分局面を理解した上で,それらの関連性を認識して全体局面の理解へとつなげる過程が必須である.組合せゲーム理論による局面解析では,各部分局面が独立していることが前提となるが,実際の囲碁局面では,部分局面同士が相互に依存関係を持っていたり,ひとつの着手が複数部分局面に効果を及ぼすことは稀ではないので,それを組合せゲーム理論の中で扱うために,囲碁における部分局面同士の連合のパターンを分析や,差分ゲームに基づく解析手法の検討を行なう.そして,その結果を用いた棋譜の解説文生成を行なう.

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023 2022 2021 2020

すべて 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] 戦況の推移を考慮した囲碁の棋譜解説2023

    • 著者名/発表者名
      中村貞吾,小田直輝
    • 学会等名
      第76回電気・情報関係学会九州支部連合大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 囲碁の棋譜解説のための解説対象着手の選出2022

    • 著者名/発表者名
      中村貞吾,小田直輝
    • 学会等名
      第75回電気・情報関係学会九州支部連合大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 囲碁の解説文生成のための解説候補着手の選択2021

    • 著者名/発表者名
      小田直輝,永井秀利,中村貞吾
    • 学会等名
      第74回電気・情報関係学会九州支部連合大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] 解説文生成における石の勢力を考慮した適切な囲碁用語の選択2020

    • 著者名/発表者名
      小田直輝,永井秀利,中村貞吾
    • 学会等名
      第73回電気・情報関係学会九州支部連合大会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] Selecting Suitable Go Terms to Consider Influence of Stones for Commentary2020

    • 著者名/発表者名
      Naoki Oda, Hidetoshi Nagai, Teigo Nakamura
    • 学会等名
      8th International Symposium on Applied Engineering and Sciences (SAES2020)
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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