研究課題/領域番号 |
20K12128
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分62040:エンタテインメントおよびゲーム情報学関連
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研究機関 | 東京工科大学 |
研究代表者 |
井上 亮文 東京工科大学, コンピュータサイエンス学部, 准教授 (50386778)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | ゲーム体験 / エンターテインメント / 仮想現実感 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では,様々なゲームアイテムの専用コントローラとなり得る新たな立体形状入出力インタフェースの開発を,ハードウェア(現実)とソフトウェア(仮想)の両面から取り組む. ハードウェア面では,面方向や厚さ方向への変形を可能とする新たなインタフェースの開発に取り組む.加えて,これまでの線状インタフェースも継続して改善・改良を実施する. ソフトウェア面では,ヘッドセットを用いたVRエンタテインメントにおいて,立体形状入出力インタフェースに重畳表示するのに適したCG表現を解明する.
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研究実績の概要 |
本研究課題の目的は立体形状入出力インタフェースの開発を、ハードウェアとソフトウェアの両面から取り組むことである。この目的に対し、当該年度はハードウェアとして(1)視覚障がい者と健常者がボードゲームを楽しむためのアクセシビリティー支援インタフェースの開発、ソフトウェアとして(2)VRエンタテインメントコンテンツ操作時においてゲーム体験の質と操作性とを両立するジェスチャーの調査、の2点からアプローチをした。 前者(1)では、視覚に障がいを持つ人たちが、そうでない人たちと一緒に、モノポリー等に代表されるボードゲームを同じルールで楽しめる立体形状入出力インタフェースを提案した。このインタフェースは通常時は平面の形状をしているが、ボードゲームのマス目やユニットの位置をカメラで認識すると、それに合わせて表面が隆起する。視覚障がい者は音声や補助者の助けなしにボードゲームの状況を触覚を通して理解できる。当該年度はこのコンセプトと初期実装を示したが、後述の機材に問題が発生し、次のバージョンの完成が遅れている。 後者(2)では、大ジャンプや重力に反した動きのように、現実世界で我々が再現不可能な動作をどのようなジェスチャーで操作すべきかを調査した。まず、ヘッドマウントディスプレイを装着して広大な3D空間をジャンプや飛翔で移動するVRコンテンツを開発した。次に、実験協力者にこのコンテンツをさまざまなジェスチャーで実行してもらい、その達成時間、達成度合、没入感などさまざまな観点から評価してもらった。その結果、ジェスチャーにはゲーム中のキャラクターの動きと同じ成分を取り入れることでタスク達成度を改善できる可能性が示唆された。本研究に関する発表で情報処理学会においてCGVI学生発表賞を受賞した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ハードウェアの研究開発が遅れている。開発している立体形状入出力インタフェースは、その表面を隆起させるアクチュエーターを数十本単位で格子状に並べる。このアクチュエーターを収めるケースを3Dプリンターで造形していたが、当該機材が壊れてしまい、造形そのものができなくなってしまった。加えて、アクチュエーターを駆動する電源にも問題が出てしまった。最終的に代替機器の選定と購入に踏み切ったものの、その開発は依然として遅れたままである。ボードの状況をカメラで認識する部分に関しては開発が終了しており問題はない。 ソフトウェアの研究に関しては、当該年度で完成をしたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ハードウェアに関しては、新しい機材を用いて開発をやり直す。9月を目処にプロトタイプを完成させ、以降は被験者を交えた実験と対外発表に移行する。 この遂行にあたって考えられる問題は、視覚障がいをもった被験者が実験に参加できるかどうかである。これが難しい場合は、目隠しをした健常者を交えた実験とする可能性がある。 ソフトウェアに関しては、いくつかの追加実験の他は対外発表に専念する。その際、口頭発表や論文投稿だけでなく、デモンストレーション展示にも積極的に取り組み、本研究課題の成果の周知に努める。
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