研究課題/領域番号 |
20K12135
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
井上 麻夕里 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (20451891)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | サンゴ骨格 / 海水温 / 塩分 / 温暖化 / 西太平洋 / 火山噴火 / 間接指標 / 酸性化 / 地球温暖化 / 海洋酸性化 / 東南アジア海域 / 人新世 / サンゴ |
研究開始時の研究の概要 |
現代の地球環境は人間が影響を与えるようになったと言われており、国際的にはそのような環境になった時代「Anthropocene(人新世)」を新たに設ける動きもある。地球温暖化はその代表例であるが、いつからこのような時代になったかは明白にされていない。本研究では東南アジア海域から採取されたサンゴ骨格試料を用いて、全球同時的な地球温暖化が開始した時期、および地球温暖化を含む全球規模の人間活動の局所的な海域への影響評価について研究を行う。
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研究成果の概要 |
フィリピンおよびインドネシア多島海より採取されたサンゴ骨格コア試料中の化学成分を分析することで、各地域の海洋環境の変動を詳細に復元した。酸素同位体比およびストロンチウム・カルシウム比から、塩分と海水温の2つを復元し、炭素同位体比とウラン・カルシウム比からは人為起源二酸化炭素の影響について評価した。その結果、西太平洋域では1976年以降に人為起源温暖化の影響を強く受けて、夏季の温暖化が顕著であることを明らかにした。一方で、インドネシア多島海における温暖化の影響はより複雑で、多島海内の場所によってもその反応が様々であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
この研究からも分かるように、現在では人為的要因による二酸化炭素放出に伴う温暖化が、自然の気候変動を圧倒し支配的になっている様子が伺えた。いかに人為起源による二酸化炭素放出を抑えることが本来の地球環境システムの安定化にとって重要であるかについて、科学的に発信できた点は社会的意義があると考える。また、熱帯から亜熱帯域においては、海水温と塩分の変動が一様ではなく、それぞれの支配要因が異なっており複雑であること、インドネシア多島海の複雑性を再認識するデータを提示できた点は学術的意義があると考える。
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