研究課題/領域番号 |
20K12136
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
新垣 雄光 琉球大学, 理学部, 教授 (80343375)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 大気エアロゾル / 台風 / 界面活性剤 / 光化学反応 / 海塩 / 越境汚染 / エアロゾル |
研究開始時の研究の概要 |
大気中のエアロゾルには,1つの分子の中に親水基と疎水基を併せ持つ界面活性剤が含まれる。界面活性剤は,雲凝結核の特性を示す重要な物質であり,空気中の水分取りこみを促進し,表面張力を低下させることで雲形成に大きく影響する。本研究では,実際の大気で捕集されたエアロゾルを用いて,界面活性剤の濃度計測だけでなく,光化学反応による界面活性剤の生成・分解および活性酸素種(過酸化水素やOHラジカル)との反応による挙動を解明する。本研究は,雲形成を理解する上で,重要な因子である界面活性剤の挙動を光化学反応の視点から明らかにするものである。
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研究実績の概要 |
空気中に浮遊する固体や液体の粒子を大気エアロゾルといい、そこに含まれる有機物は大気中で最も存在量が多く、構造の種類が非常に幅広いことや様々な特性を持つものが知られている。さらに、その発生源も多岐に渡っており健康や気候へ悪影響を及ぼすこともある。しかし、未解明の部分も多いため、現在のエアロゾル研究にとってその詳細な存在量や特性を知ることはとても重要といえる。 また、エアロゾルに含まれる界面活性剤は水溶性の表面張力を低下させる能力と、エアロゾル粒子の吸湿性に影響を与えうる部分的な親水性によって空気中の水分を取り込み雲の形成を容易にするため、気候の変化に影響を与える可能性が示唆されている。日本に大きな影響を与える気象現象の一つとして台風があげられる。しかし、過酷な条件によりサンプリングが難しいため、台風時のエアロゾル量や性状についてのデータが少なく、台風の勢力との関係も未解明のままである。 そこで本研究では、台風時および平常時の大気エアロゾルのサンプリングを行い、水溶性イオン成分や水溶性有機炭素(WSOC)、吸光度(Abs)、陰イオン性界面活性剤(MBAS)を測定し、その量や季節変化、相互関係を考察し台風時の特徴、特に風速との関係を化学的に明らかにすることを目的として研究を実施した。大気エアロゾルの採取および化学分析においては概ね順調に実施できたが、得られたデータが膨大となり解析に時間を要する。よって、次年度にデータ解析を行い、研究成果を学会等で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
大気エアロゾルのサンプリングは、一部機器の不具合による影響はあったものの、概ね予定通り実施できた。成分分析の実験については、順調に進展しているが、集めたデータが膨大となり、その解析および成果の公表において、新型コロナウイルス感染症の影響があり、十分に実施できていない。 次年度は、データ解析および研究成果を学会で発表することに力をいれて進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに蓄積された実験データを総合的に解析し、台風と海塩エアロゾルに含まれる化学成分との関係解明にむけて取り組んでいく。また、得られた成果を学会等で発表していく。
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