研究課題/領域番号 |
20K12138
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
飯村 康夫 滋賀県立大学, 環境科学部, 講師 (80599093)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 土壌炭素 / 温暖化 / 窒素沈着 / プライミング効果 / 炭素循環 / 栄養塩 / 地球温暖化 / Q10 / 土壌有機物 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は地球温暖化に伴い実際に土壌空間で生じ得る各種インパクト(段階的な気温上昇、植物由来有機物供給量の増加、窒素沈着量の増加)を包括的に考慮し、“温暖化に伴う真の土壌炭素応答メカニズム”を解明することである。本研究は、気温上昇だけでなく、温暖化に伴い実際に土壌空間で生じ得る各種インパクトを包括的に考慮し、植物栽培を通して大気-植物-土壌の相互作用に基づく“真の土壌炭素温暖化応答メカニズム”を解明するための実験を3年間にわたり行う。
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研究成果の概要 |
温暖化や窒素沈着などの複合的な環境インパクトが土壌炭素分解に及ぼす影響について基礎的知見を得ることを目的に研究を行なった。黒ボク土の場合、温度上昇の影響に負けず劣らず植物バイオマス由来の易分解性炭素(グルコース)の供給が土壌炭素分解に強く影響を及ぼすことが示された。また、土壌炭素の質が大きく異なる黒ボク土と未熟土を用いた実験では温暖化や窒素沈着による複合的なインパクトは黒ボク土でより強く影響することが明らかとなった。この結果は難分解性炭素を多く含む黒ボク土で温度依存性が高まったことに起因していることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は将来予測されている温暖化や窒素沈着などの環境変化に対する土壌応答について着目したものである。日本を代表する土壌の一つである黒ボク土を用いた実験では、土壌のみに対し温暖化や窒素沈着の影響を与えた場合に比べ植物の影響も加味するとより多くの二酸化炭素が発生することが明らかとなった。また、微生物によって分解されにくい炭素が多い黒ボク土ではそうでない土壌に比べ上記のような反応性が高いことが明らかとなった。これらの結果は将来予測されている土壌からの二酸化炭素放出量が実際はより多くなる可能性を示すものであり、また、これらの反応は土壌タイプによって異なることを示唆するものである。
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