研究課題/領域番号 |
20K12145
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
大森 裕子 筑波大学, 生命環境系, 助教 (80613497)
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研究分担者 |
濱 健夫 筑波大学, 生命環境系, 名誉教授 (30156385)
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 海洋炭素循環 / 微生物炭素ポンプ / 細胞外膜小胞 / 海洋細菌 / 膜小胞 / 炭素循環 / 13Cトレーサー法 / 海洋 / バクテリア |
研究開始時の研究の概要 |
海洋の溶存態有機物(Dissolved Organic Matter: DOM)は地球表層の最大級の有機炭素プールであり、その90%以上が微生物に分解されにくい「難分解性DOM」で構成される。海洋細菌が難分解性DOMを生成することで海洋へ長期間炭素を隔離する「微生物炭素ポンプ」という新しい概念が提唱された。しかし、海洋細菌による難分解性DOMの生成プロセスは未解明である。 本研究は海洋細菌が放出する細胞外膜小胞に着目し、申請者らが確立した13Cトレーサー法と膜小胞の形成制御技術を駆使し、海洋細菌が生成する膜小胞を介した微生物炭素ポンプのプロセスと炭素フローの解明を目指す。
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研究成果の概要 |
自然海洋細菌をもちいた13Cトレーサー培養実験により、海洋細菌が生成する細胞外膜小胞(MV)の挙動を炭素レベルで評価した。海洋細菌は主に増殖期後にMVを生成し、MVは細菌に分解されずに残存することが示された。細菌由来の有機物は、大半が溶存態として、一部がMVとして、海水中に放出されることが示唆された。一方で、沿岸表層における観測により、MVが保有する有機炭素は非常にわずかであることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋細菌が難分解性DOMを生成することで長期間海洋に有機炭素を貯留するプロセスは、地球表層の炭素循環ならびに気候変動に影響を及ぼすが、その有機炭素プールの形成過程はブラックボックスである。本研究は、海洋細菌が生成するMVに着目し、細菌が生成する有機物の一部はMVとして残存することから、細菌を由来する微小な粒子形成が海洋有機炭素プールの形成プロセスのひとつであることが示唆された。
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