研究課題/領域番号 |
20K12148
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
戸田 求 広島大学, 統合生命科学研究科(生), 講師 (40374649)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 大気ー生態系モデル / 気候変動 / 撹乱 / 森林構造 / 生態系モデル / 統計モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、中高緯度陸域の代表的な森林生態系を対象とし、撹乱スキームを加味した大気ー生態系モデルを用いたベイズ統計法に基づくデータ同化解析を行う。この実験の実施においては、欧米や日本で作成されてきたエネルギー・炭素交換過程のフラックスデータベースを利用する。この研究を通して、近年の極端気象が誘発する生態系炭素収支の不確実性評価を行う。さらに、今後予想される極端気象イベントを想定した生態系撹乱シナリオを用意し、生態系の炭素収支変動予測の数値実験を実施する。なお、本課題の実施に際し、計算解析手法の普及・向上を目的とし、3つの計算プラットフォームを構築する計画である。
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研究成果の概要 |
本課題の目的は、北半球に広がる森林生態系を対象に既存の炭素フラックスデータベースと大気ー生態系モデルを用いて極端気象現象を想定した生態系炭素応答の影響評価を行うことであった。シミュレーションでは、対象とするバイオームにおいて異なる群落構造の複雑性を反映したシナリオを設定し、極端気象情報を含む環境条件下での森林の総生産量(GPP)を定量化した。その結果、森林群落構造が複雑になるほどGPPが高まり、群落内部における葉の光利用性が高まる効果によるものであることがわかった。一方で、将来の気候変動に対する生態系応答の更なる解明に向けてより高度なデータ同化手法を用いた更なる影響評価研究が必要とされる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の気候変動問題は地球規模の社会問題として位置付けられる。そのため、気候緩和機能を有する森林生態系の環境応答を定量的に評価する取組みが世界中で行われている。本課題で研究対象とした森林は非管理の自然状態にある生態系が主であるが現実には人的影響下に置かれた管理森林が多いため、撹乱影響評価においても様々な群落構造の違いを加味した研究が必要とされた。研究の結果、生態系の構造的特性を考慮した撹乱影響評価は重要な成果と位置付けられる一方で、より高度なデータ同化手法を用いた撹乱影響評価研究が社会問題としての気候変動問題解決には必要である。したがって、更なる研究の継続が重要と考える。
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