研究課題/領域番号 |
20K12150
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63010:環境動態解析関連
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研究機関 | 東洋大学 (2022) 福島県立医科大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
反町 篤行 東洋大学, 理工学部, 教授 (60466050)
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研究分担者 |
松田 和秀 東京農工大学, 農学部, 教授 (50409520)
和田 龍一 帝京科学大学, 生命環境学部, 教授 (90566803)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ラドン / 鉛直濃度プロファイル / アンモニア / 窒素酸化物 / トロン / 一酸化窒素 / 森林 / 沈着 / 放出 / 放射性ガス / 反応性窒素 / チャンバー法 / 緩和渦集積法 |
研究開始時の研究の概要 |
生態系における反応性窒素の供給量と吸収量は数多く報告されているが、大気-森林におけるその放出・沈着メカニズムが科学的に立証された例はほとんどない。申請者らは、森林での反応性窒素フラックスや鉛直分布観測から、乾性沈着過程においてガス-粒子変換反応の重要性やアンモニアガスの双方向特性などを発見した。本研究では、これまでの大気環境化学的なアプローチに、放射性ガスであるラドンとトロンをトレーサーとして利用する手法を取り入れることにより、土壌からの反応性窒素のフラックスおよび林床付近の移動速度、樹冠におけるフラックスを測定して、大気-土壌(林床)における反応性窒素の放出・拡散・沈着過程を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、ラドンを用いて大気-土壌(林床)間における反応性窒素(アンモニア、一酸化窒素)の放出・拡散・沈着過程を解明することを目的とした。スギ・コナラ混合林に設置された観測鉄塔において鉛直濃度分布観測が実施された。アンモニアの1週間観測結果から、着葉期と落葉期ともに林床からの放出現象が確認されたが、森林樹冠からの放出には影響しないことが示唆された。一酸化窒素の昼夜別の結果では、着葉期と落葉期ともにほとんど林床付近からの放出傾向であった。ラドンの観測結果から、林床付近の物質移動が森林-林床間の物質交換の律速となる傾向が確認され、林床付近で濃度が高くなる要因に寄与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、森林における反応性窒素(アンモニア、一酸化窒素)の動態を理解するため、鉛直濃度分布観測を行い、林床付近の高濃度化や森林樹冠への林床付近の反応性窒素の影響について見出した。反応性窒素は生態系において過剰窒素に伴う富栄養化に影響するとともに、粒子生成にも寄与するため大気汚染や気候変動にも影響する可能性がある。そのため、本研究成果は学術的意義や社会的意義は高い。
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