研究課題/領域番号 |
20K12163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
横井 雅幸 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (00322701)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 損傷乗り越えDNA合成 / クロマチン構造変換因子 / 脱ユビキチン化酵素 / 阻害剤 / TLS / DNA複製 / DNA損傷 / translesion synthesis / クロマチン構造変換 / 低分子化合物 / DNA損傷トレランス / 損傷乗り越え合成 / クロマチン |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトPolηを含むTLSの反応と制御に重要な翻訳後修飾あるいはクロマチン構造変換を分子レベルと細胞レベルの両面から究明し、TLS反応による染色体複製の再開を統括・制御する機構を解明することと、それらの知見に基づく創薬研究の展開を目指す。 研究計画の概要として、本研究課題では細胞レベルと試験管内レベルの両面から以下の目的の達成を目指す。 1)TLS反応および反応調節に重要な翻訳後修飾と修飾酵素を特定・解析する。 2)TLS反応を制御するクロマチンの構造変換と変換因子を特定・解析する。 3)1)と2)のクロストークから、ゲノム複製の継続性を保障するTLS反応を統括・制御するシグナルの分子基盤を解明する。
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研究成果の概要 |
DNA損傷による複製反応の停滞を回避する損傷乗り越えDNA合成(TLS)とそのクロマチンにおける制御機構の理解を深めるため、主要なTLS因子であるPOLHに注目した。その成果として、脱ユビキチン化酵素USP11が、POLHの細胞周期特異的な発現調節に関わること、またUSP11が紫外線で損傷を受けたクロマチンにPOLHをリクルートする過程に寄与することを新たに見出した。さらに、クロマチン構造変換因子CHD9とSMARCAD1がPOLHを紫外線誘発DNA損傷へリクルートする経路に関わることを見出した。また、化合物スクリーニングにより、POLHに対する阻害活性を示す化合物を複数同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAにおける代謝反応の理解には、クロマチン構造との関わりを明らかにすることが重要である。転写や修復に比べて、クロマチンにおけるDNA複製とりわけTLSの制御はほとんど明らかにされていない。本研究の成果として、脱ユビキチン化酵素USP11やクロマチン構造変換因子がクロマチンの損傷部位へのPOLHのリクルートに関わる可能性を見出したことは、DNA損傷による複製の停止と再開を制御する機構を理解する足がかりとして重要である。また、DNAを標的とした抗がん剤の効果を減弱しうるTLS経路を標的とした創薬は、世界的に注目されていることから、POLHの阻害物質の同定は、同分野の発展に貢献しうる成果である。
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