研究課題/領域番号 |
20K12179
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63020:放射線影響関連
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研究機関 | 公益財団法人放射線影響研究所 |
研究代表者 |
野田 朝男 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 部長 (40294227)
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研究分担者 |
濱崎 幹也 公益財団法人放射線影響研究所, 分子生物科学部, 研究員 (80443597)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 放射線 / 突然変異 / 生殖細胞変異 / 遺伝子編集 / 染色体構造変異 / CRISPR/Cas9 / 精原細胞 / 放射線被曝 / ゲノム / 精原幹細胞 / 遺伝影響 |
研究開始時の研究の概要 |
放射線誘発性の突然変異の特徴である染色体構造変異はどれくらいの効率で次世代に伝わるのか?この問題を解明するため、本研究では培養可能なマウス精原幹細胞に人工的に染色体の構造変異を導入する方法を開発する。具体的には遺伝子編集技術を応用してメガbpサイズの欠失や逆位、あるいは染色体間の相互転座を任意の位置に人為的に作成する実験系を完成させる。作成された精原細胞を雄マウス精巣に移植し、精子形成過程及び次世代への継承について検証する。本研究により、放射線の遺伝影響に対する理解を深める。
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研究成果の概要 |
放射線被ばくで生じる特徴的な突然変異を想定した人工的な染色体構造変異体を作成し、これらの次世代継承の有無を検討する予備実験として、培養細胞レベルにて染色体構造変異の作成を試みた。これは、CRISPR/Cas9を用いた遺伝子編集システムの応用であり、マウス染色体の特定部位に二重鎖切断を2個生じさせ、非相同末端結合(NHEJ)によりその間の欠失変異を作成するというものである。今回、100 bpから1 Mbpにわたる広範な人工的欠失を作成する事が可能となった。また、人工的な染色体転座の作成も試みた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
放射線被ばくの遺伝的影響は生殖系列細胞に生じる突然変異に起因する。どのようなタイプの突然変異がどれくらいの効率で次世代に伝わるか、これまで明らかになっていない。体細胞とは異なり、生殖系列細胞には減数分裂チェックポイントや受精および初期発生という関門があり、これをくぐり抜けた細胞のみが次世代へと伝わる。生体内のそれぞれの過程で、染色体構造変異を持つ細胞がどのように取り扱われるのか、本研究はその検証システム作成を目指すものであり、生殖細胞被ばくのリスク推定の礎となると期待する。
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