研究課題/領域番号 |
20K12180
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 長崎大学 (2022-2023) 筑波大学 (2020-2021) |
研究代表者 |
安孫子 ユミ 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(薬学系), 准教授 (80742866)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 親電子物質 / PTP1B / EGFR / ナフトキノン / ベンゾキノン / キノン / パースルフィド / 親電子修飾 / 環境中化学物質 / ポリスルフィド / 環境化学物質 / レドックスシグナル |
研究開始時の研究の概要 |
環境中親電子物質によるタンパク質のチオール基への親電子修飾は,被修飾タンパク質の機能を変化させ,生体応答や毒性を発揮する. パー/ポリスルフィドは,反応性が高く,親電子物質と効率良く反応することが想定されるが,親電子修飾に対するタンパク質結合パー/ポリスルフィドの役割は不明である. そこで本研究では,親電子修飾の可逆的担保におけるタンパク質結合パー/ポリスルフィドの役割を検討する. 本研究は,親電子ストレスに対する生体内防御システムの解明と毒性軽減の一助に繋がる.
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研究成果の概要 |
本研究では、EGFRを負に制御するPTP1Bを用いてタンパク質結合パースルフィドもしくはポリスルフィド(P-SSH/-SSnH)への親電子修飾は可逆的であるかを検討した。P-SSnH化した精製PTP1Bに親電子物質である1,4-ベンゾキノンもしくは1,2-ナフトキノン(1,2-NQ)を反応させてPTP1B活性を阻害しても、ジチオスレイトールにより還元されて当該活性が回復した。A431細胞において、1,2-NQ曝露によるEGFRの活性化はNa2S2を前処理で減少する傾向が見られた。以上より、PTP1B-SSnHへの親電子修飾は可逆的であり、還元を受けて再生しEGFRを再び抑制できると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
親電子物質はタンパク質のチオール基と共有結合して被修飾タンパク質の機能を変化させる. 本研究では, チオール基がパースルフィドもしくはポリスルフィド化されている場合は、還元により親電子修飾が解除されることを示した. 本結果は, パー(ポリ)スルフィドが親電子物質によるタンパク質への影響をバッファリングしていることを示唆しており, タンパク質のパー(ポリ)スルフィド化は環境中親電子物質に対する防御機構の一つと考えられる. 毒性学および予防医学においてパー(ポリ)スルフィドの重要性を示す知見となったといえよう.
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