研究課題/領域番号 |
20K12182
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
山崎 岳 広島大学, 統合生命科学研究科(総), 教授 (30192397)
|
研究分担者 |
大黒 亜美 広島大学, 医系科学研究科(薬), 特定准教授 (20634497)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | ドコサヘキサエン酸 / メチル水銀 / 胎児毒性 / 多価不飽和脂肪酸 / ジヒドロキシドコサヘキサエン酸 / 神経保護作用 / アラキドン酸 / レチノイドXレセプター / 神経保護 |
研究開始時の研究の概要 |
多価不飽和脂肪酸であるドコサヘキサエン酸(DHA)と,同じく多価不飽和脂肪酸であるアラキドン酸の代謝物エポキシエイコサトリエン(14,15-EET)による,外来性神経毒性化学物質に対する神経保護作用についての研究である。 ヒトへの暴露が懸念される環境汚染物質について,DHAや14,15-EET による神経保護作用とその分子メカニズムを培養神経細胞とマウスを使った実験で追求する。
|
研究成果の概要 |
妊娠マウスにメチル水銀を飲水に添加して投与し、同時にドコサヘキサエン酸(DHA)を食餌に添加して投与したところ、メチル水銀毒性による仔マウスの体重、握力、運動機能、短期記憶の障害が抑制された。DHA投与は、メチル水銀が誘発する仔マウス脳の酸化ストレスと大脳皮質のニューロン数の減少も抑制した。胎児の脳と肝臓でのシトクロムP450と可溶性エポキシド加水分解酵素の発現レベルは低いままであったが、胎児と乳児の脳ではDHA代謝物である19,20-エポキシドコサペンタエン酸と19,20-ジヒドロキシドコサペンタエン酸、そしてDHA自体の量が有意に増加した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
妊娠中の魚の摂取はDHAによる胎児の脳の発達に有益だが、魚介類には胎児に悪影響を及ぼすメチル水銀も含まれている。我々は、DHAとその代謝物19,20-ジヒドロキシドコサペンタエン酸が、マウス初代神経細胞におけるメチル水銀誘発性細胞傷害を抑制することを明らかにした。本研究では、妊娠マウスにDHAを投与すると、DHAとその代謝産物が母体から仔マウスに移行し、それが胎児に対するメチル水銀毒性を軽減することを示した。妊娠中の女性が高レベルのDHAを含む魚またはDHAサプリメントを摂取すると、胎児のメチル水銀誘発性神経毒性の予防に役立つ可能性がある。
|