研究課題/領域番号 |
20K12186
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 名城大学 |
研究代表者 |
岡本 誉士典 名城大学, 薬学部, 准教授 (50512323)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 乳がん / メタボローム / 脂質メディエーター / リゾホスファチジン酸 / エストロゲン / メタボロミクス / ゲノム編集 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題の目標は,LPARあるいはERをゲノム編集技術によって破壊した遺伝子改変ラットを作製し,ターゲット遺伝子がエストロゲン誘発性乳がんの発生に関与することを証明する点にある.これを可能にするために,新しい遺伝子改変動物の作製方法(iGONAD法)を実施する(Ohtsuka et al., Genome Biol. 2018).この方法では,妊娠動物の輸卵管膨大部内において,1細胞胚に対しCRISPR/Cas9技術を用いてin vivo遺伝子改変を行う.また,野生型ラットとノックアウト(KO)ラットの血液あるいは乳腺・乳がん組織のMetabolomics解析を行い,遺伝子改変による表現型変化が生じるメカニズムを明らかにする.
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研究成果の概要 |
女性の更年期症状を緩和する目的で、ホルモン補充療法が実施されているが、長期的に治療を継続することにより乳がんリスクが上昇するものと考えられている。われわれは、エストロゲンへの長期曝露によって生じる乳がんが、どのようなメカニズムで生成するのかを解析しており、生体内の脂質メディエーターであるリソホスファチジン酸(LPA)が関与する可能性を示唆する結果を得ている。さらにこの研究では、ゲノム編集技術や実験動物を用いて、LPAがエストロゲン誘発性乳がんの形成に一部関わっていることを示唆する結果を得た。したがって、LPAは将来、乳がんの治療標的となるかもしれない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エストロゲンが誘発する乳がんのモデル実験として、ACIラットという特殊な動物に対して女性ホルモンを数か月間にわたって投与し、乳がん庫形成を評価した。それに加えて、リゾホスファチジン酸が作用する受容体(LPA受容体)を遮断する薬物を併用することによって、乳がんのサイズや数、発がんまでの期間がどのように変化するのかを調べた。その結果、発がんまでの期間に有意な差は認められなかったが、がん数およびサイズは、薬物を併用することによって減少した。したがって、LPA受容体遮断薬は、新たな乳がん予防薬として応用できるものと期待される。
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