研究課題/領域番号 |
20K12190
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63030:化学物質影響関連
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研究機関 | 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部) |
研究代表者 |
武田 知起 独立行政法人労働者健康安全機構 日本バイオアッセイ研究センター(試験管理部、病理検査部), その他部局等, 室長補佐 (60596831)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 酸化インジウムスズ / 結晶質シリカ / 職業性肺疾患 / じん肺 / メタボロミクス / リン脂質 / 有害粒子状物質 / 肺サーファクタント / 結晶性シリカ / 肺胞マクロファージ / 2型肺胞上皮細胞 / インジウム・錫酸化物 / 粒子状物質 / 肺線維症 |
研究開始時の研究の概要 |
有害粒子状物質 (シリカ等) をラットに投与し、肺線維症モデル動物を作成する。肺線維症が起こる前後に動物より肺を採取し、肺サーファクタント成分 (肺呼吸に必須の脂質成分) を分析することで、病態の進行とサーファクタントの変化との関係性を明らかにする。さらに、肺線維症との関連性が疑われた特定のサーファクタント成分の変化に着目して、肺線維症の発症や進行における役割について、細胞レベルで検証する実験を行う。
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研究成果の概要 |
有害粒子状物質による肺疾患として知られるじん肺は、現在も毎年100名以上が罹患する代表的な職業性肺疾患であるが、確立された動物モデルは殆ど存在せず、メカニズムや病態マーカー・治療法に関する知見は充分には得られていない。本研究では、ヒトで肺疾患事例が多数報告されている結晶質シリカと酸化インジウムスズ(ITO)を用いて、実験的なじん肺モデル動物を作出することに成功し、この動物より採取した肺および血漿成分を網羅的に分析することによってシリカおよびITOそれぞれの病態に関わる可能性のあるリン脂質 (肺の機能維持に必須の栄養成分として注目) の変動を精査することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで病理組織学的解析と共に汎用性の高いじん肺モデル動物を提示した研究例はわずかであるため、本研究成果はじん肺を含む毒性学的研究の発展に寄与できると期待される。とりわけ、ITOは比較的最近の素材であるため、ヒトでの疾患事例や研究も今後によるところが大きく、動物モデルと知見を提示できたことは毒性学的研究を加速させる点で意義が大きい。さらに、肺の機能に必須であるリン脂質に着目してその変化を網羅的に分析した例はこれまで存在せず、本研究成果の発展により、じん肺をはじめとする粒子毒性におけるメカニズム解明や病態マーカー・治療法の開発に向けた基礎知見を提供できる点でも意義が大きいと考える。
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