研究課題/領域番号 |
20K12194
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分63040:環境影響評価関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
礒部 隆史 横浜薬科大学, 薬学部, 准教授 (30440530)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | キトサン / アルギン酸 / 水質 / 河川 |
研究開始時の研究の概要 |
我が国ではヒト及び魚類への影響が懸念され、公共用水域に関する要監視項目が定められています。要監視項目に挙げられている化学物質を河川から除去することは重要ですが、水に溶けている化学物質を取り除くのは容易ではないため、十分な除去対策が取られていないのが現状です。本研究では、内分泌かく乱作用を示すことが知られている化学物質などをモデル化学物質とし、キトサンなどの天然多糖類を用いて、河川から汚染化学物質を吸着除去する高分子複合体ゲルの開発を目指します。得られる成果は、生態系における水圏からヒトおよび水生生物に有害な化学物質を除去するシステムの構築に繋がるものと考えます。
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研究実績の概要 |
化学物質は我々に様々な恩恵を与える一方で、発がん性、免疫系の異常、内分泌系へのかく乱作用など、ヒトを含む生態系に好ましくない影響も与えていることが明らかとなっております。工場や家庭から排出された化学物質を含む水は下水処理され河川へ放流されますが、全ての化学物質が除去される訳ではないため、ヒトの健康の保護及び水生生物の保護の観点から、公共用水域に関する要監視項目が定められております。要監視項目に挙げられている化学物質を河川から除去することは重要ですが、水に溶けている化学物質を河川から取り除くのは容易ではなく、完全に除去できていないのが現状です。そのため、本研究では、河川から汚染化学物質を吸着除去することを目的に、汚染化学物質の吸着が可能な高分子複合体ゲルの開発を検討しております。 本年度も水質汚濁に係る環境基準のうち、人の健康の保護に関する環境基準項目の一つである亜硝酸態窒素の吸着除去法について検討を行いました。昨年度の研究から、有機酸とキトサンとの塩が亜硝酸態窒素を吸着することが明らかとなっているため、本年度はこれらキトサン-有機酸塩の河川での実用化を目指し、有機酸と塩形成させたキトサンをアルギン酸に結合させた高分子複合体ゲルの調製条件について検討を行いました。その結果、調製時の有機酸濃度及びキトサンとアルギン酸の混合比率など、いくつかの条件が亜硝酸態窒素吸着能に影響を与えていることを明らかにしました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
令和5年度から研究以外の学内での業務が大幅に増え、研究に対し十分な時間と労力を割くことができませんでした。また、令和2年度と令和3年度はコロナ禍の影響で研究に対し十分な時間と労力を割くことができなかったため、研究期間全体で考えても予定よりも研究の進行が遅れております。
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今後の研究の推進方策 |
令和6年度は、有機酸と塩形成させたキトサンをアルギン酸と静電相互作用により結合させることで、高分子複合体ゲルを調製し、亜硝酸態窒素の吸着ならびに有機酸の放出について引き続き検討を行います。さらに、河川を模倣した実験系における汚染化学物質の吸着能など性能評価を行い、これらの研究により得られた結果を取りまとめ、成果の報告を行います。
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