研究課題/領域番号 |
20K12207
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
諸泉 利嗣 岡山大学, 環境生命科学学域, 教授 (60230174)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 土壌汚染 / NAPL / 比誘電率 / 熱伝導率 / 誘電率 / TDR / 層構造 / ランダム構造 / 土壌 / 地下水 / 汚染 / 電気化学特性 / 熱特性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年,益々深刻化する廃棄物処分場や工場跡地における土壌・地下水汚染の早期発見および浄化過程の非破壊モニタリングは喫緊に要請されている社会的重要課題である.本研究はこの課題を解決することを目的とする. 本研究では,水溶性および非水溶性化学物質の混合物で複合汚染された土壌・地下水を想定して,飽和-不飽和土壌の電気化学特性(本研究では比誘電率と電気伝導度を対象とする)と熱特性(本研究では熱伝導率と体積熱容量を対象とする)を明らかにし,それらの特性を利用した土壌・地下水の汚染度を安全かつ簡便に推定できる技術の新規開発を行い,汚染度の原位置モニタリングに必要なシステムの確立を目ざす.
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研究実績の概要 |
近年,益々深刻化する廃棄物処分場や工場跡地における土壌・地下水汚染の早期発見および浄化過程の非破壊モニタリングは喫緊に要請されている社会的重要課題である.本研究の目的は,水溶性化学物質を含む液体,非水溶性物質(NAPL),土壌,水,空気のそれぞれの電気化学特性(本研究では比誘電率と電気伝導度)と熱特性(本研究では熱伝導率と体積熱容量)の違いに着目し,水溶性および非水溶性化学物質の混合物で複合汚染された土壌・地下水の汚染度を推定することである.本年度は,昨年度実施できなかった,水の代わりに水溶性化学物質を含む液体とNAPLを含む複合汚染を想定した実験を,空気を含む不飽和4相系土壌について実施した.また,これまでの実験結果を整理するとともに,誘電率モデルと熱伝導率モデルの実験結果への適応性を検討した.誘電率モデルにはMaxwell-De Loor model(MDモデル)とBirchak model(αモデル)を,熱伝導率モデルには直列モデルとBirchak model(αモデル)を使用した. その結果,不飽和4相系の場合は,飽和3系の場合と異なり,水溶性化学物質の溶解によるTDR波形の低減が見られなかった.このことから,不飽和4相系の場合,比誘電率を用いて水溶性化学物質の電気伝導度とNAPLの汚染度を推定することは難しいと言える.また,モデルの適用性に関しては,飽和3相系に関して水溶性溶液とNAPLが層構造を成している場合は,誘電率はαモデルの方がMDモデルよりも実験値をよく再現できたが,NAPLが水溶性溶液にランダムに存在する場合は,MDモデルの再現性の方がαモデルよりも良好であった.熱伝導率モデルの適用結果に関しては,直列モデルでは層構造,ランダム構造の何れの構造でも過小評価する結果となったが,αモデルについては両構造ともに精度よく推定できた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
溶液-NAPL-土壌の飽和3相系実験,水-NAPL-土壌-気相(空気)の不飽和4相系実験,溶液-NAPL-土壌-気相(空気)の不飽和4相系実験のそれぞれに対してNAPLが層構造とランダム構造を成している場合の実験結果に対して,実験結果の整理と考察に大幅に遅れが生じた.これは,実験条件が多岐にわたり,当初の想定以上に実験結果の整理と考察に時間を要したためであった.また,結果の整理と考察の遅れに伴い,学会発表および学術誌に論文を発表することができなかった.
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今後の研究の推進方策 |
結果の整理と考察を完了し,成果の公表(学会発表および学術誌に論文を発表)する.
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