研究課題/領域番号 |
20K12211
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64010:環境負荷およびリスク評価管理関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
加藤 雅彦 明治大学, 農学部, 専任准教授 (00578312)
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研究分担者 |
肴倉 宏史 国立研究開発法人国立環境研究所, 資源循環・廃棄物研究センター, 室長 (70331973)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 掘削岩 / 大気曝露 / 乾湿繰返し / 還元 / 表面変質 / 黄鉄鉱 / 炭酸化 / 重金属等 / 日光 / 温度 / ヒ素 / 変質 / 放出量 / 溶脱 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒ素を含む掘削岩はトンネル工事等で大量に発生するため,周辺環境にヒ素が溶脱しないように対策し,再利活用が求められている.対策の設計には,掘削岩からのヒ素溶脱量の正確な評価が必要である.しかし,溶脱過程において大気曝露等によって岩表面が構造変質しヒ素形態が易溶化するため,正確にヒ素溶脱量が評価できていない.そこで本研究では,実現象に近い大気暴露と還元暴露を表現できる装置により暴露させた掘削岩の物理的・化学的な表面構造,ヒ素形態,ヒ素溶脱量を評価,ヒ素溶脱過程におけるヒ素形態の変化を岩表面の構造変質と関連付けながら解明し,ヒ素溶脱量を正確に評価できる曝露試験条件を提示する.
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研究成果の概要 |
トンネル工事等で大量に発生する掘削岩を適切に対策し再利活用するためには,再利活用後の掘削岩からのヒ素溶脱量を正確に評価する必要がある.再利用後に曝される掘削岩の乾湿繰返し,還元条件と表面構造変質に伴うヒ素形態の変化量との関係を定量的に明らかにすることを試みた.乾湿繰返し環境下では,細粒化に伴う黄鉄鉱の酸化促進によって黄鉄鉱から重金属等が放出された.また,黄鉄鉱の酸化分解に伴うpH低下や非晶質・晶質鉄生成が重金属等の放出性を変化させる主な要因と考えられた.化学的・生物的還元によっAs放出量が増加したが,その増加量は乾湿繰返し条件よりも少なかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
建設工事で大量に発生する掘削岩は,処分場の残余容量が少ないため,環境に悪影響を与えないように再利用することが期待されている.本研究成果は,掘削岩を再利用する際に還元環境よりも乾湿を繰り返す大気暴露条件のほうが掘削岩からの重金属類の溶脱が高まる可能性を定量的に明らかにしたものである.
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