研究課題/領域番号 |
20K12217
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
田中 靖浩 山梨大学, 大学院総合研究部, 准教授 (50377587)
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研究分担者 |
遠山 忠 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60431392)
森 一博 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (90294040)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ウキクサ / 微生物群集 / PGPB / 植生浄化 |
研究開始時の研究の概要 |
野生のウキクサ亜科植物に加え、様々な環境試料に分布する微生物群集を接種し、共培養を行ったウキクサの根試料をターゲットとし、それらの中で常に一定の割合で分布する微生物を網羅的にスクリーニングし、これらをコレクション化する。得られた微生物コレクションの中からPGPB、有害化学物質分解菌などを見出し、これらの微生物とウキクサ亜科植物の共生関係を利用した新しい植生浄化システムの開発について検討する。
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研究実績の概要 |
これまでに本研究代表者らは、水生植物のウキクサ亜科植物根にこの植物から分離した有害化学物質分解菌および植物生育促進微生物(PGPB)を再導入することで、高い水質浄化能を持ちつつ、エネルギー資源生産をも担う高機能植生浄化システムを開発してきたが、現行のシステムでは、実排水など複合微生物存在下での導入微生物の定着性の維持・向上が課題となっていた。そこで本研究では、当該水生植物根への付着・定着性が高い微生物種を検索し、その中から各種分解菌やPGPBを取得・利用することにより上記の問題点をクリアした新しい浄化システムの開発につなげることを目的としている。2020年度までは、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物種を検索し、科レベルでComamonadaceae科細菌、Methylophilaceae科細菌、Opitutaceae科細菌を見出すとともに、これらのうち、Methylophilaceae科、Opitutaceae科に属する菌株として計140株を得た。2021年度は、前年度までに取得した菌株の中から、ウキクサの生育を促進する微生物の検索を行い、顕著な活性を有する菌株として8株を得た。また、複数のウキクサ試料中に分布する微生物群集の解析データを蓄積することで、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物種の候補を属レベルで見出した。 2022年度は、前年度までに見出した、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物種をターゲットに、新たに分離、あるいはこれまでに取得した微生物ライブラリーからの当該微生物種の検索を行なった(現在、約30株を取得)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物コレクションの拡充と、当該コレクションからのPGPBおよび各種分解菌の取得、さらにはこれらを根圏に再導入することで、根圏機能を強化したウキクサを創製する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けて(詳細は後述)、研究計画に遅延が生じている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに取得した(あるいは新たに取得した)PGPBを根圏に導入したウキクサ亜科植物の実排水中でのバイオマス生産能を評価する。また、ウキクサ亜科植物の根に付着・定着しやすい微生物コレクションからの各種有害化学物質(あるいはどのモデル化合物)の分解菌を取得し根圏に再導入することで、根圏機能強化ウキクサ亜科植物を創製する予定である。
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