研究課題/領域番号 |
20K12222
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
谷 幸則 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10285190)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | マンガン酸化真菌 / レアメタル回収 / Mn複合酸化物 / Mn(II)酸化酵素 / バイオマンガン酸化物 / レアメタル / Mn(II)酸化真菌 / 金属回収 / コバルト / ニッケル |
研究開始時の研究の概要 |
低濃度かつ多種類の金属元素を含有する排水の処理は環境負荷が大きく、効率の高い排水処理技術の開発が必須である。本研究は、Mn(II)酸化真菌によって、高いMn(II)酸化活性を保持したMn(II)酸化酵素-バイオMn酸化物複合体を形成させ、その複合体が持つ自己再生能と高い金属元素除去特性を利用し、連続的に機能する多元素同時回収処理システムの構築を目指す。回収対象は、比較的な低濃度(10 mg/L以下を想定)で存在する、レアメタルを中心とした金属イオンとし、これらの元素を複数存在させた系におけるMn(II)酸化酵素-Mn酸化物複合体による効率的な多元素回収条件を詳細に検討する。
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研究成果の概要 |
Mn(II)酸化真菌Acremonium strictum KR21-2が形成したMn(II)酵素活性BMOをMn(II)共存下でBa(II), Co(II), Ni(II)と反応させたとき、層間スタッキングが強いBirnessite鉱、Asbolane鉱、Ni(II)置換型Feitknechtite鉱がそれぞれ形成され、これらの金属イオンの回収率が大幅に向上した。また、V(V), Mo(VI),W(VI)共存下で、BMO相を連続的に形成した場合にも、これらの収着量の増加が認められた。これらの結果から、Mn(II)酸化酵素活性BMOを利用した効率の高い連続回収が可能であることが認められた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
持続可能な社会の確立のためには、多元素金属元素の効率的なリサイクルが必要であり、低コスト・低エネルギー型の元素回収技術の開発が必要である。本研究は、Mn(II)を菌体外Mn(II)酸化酵素で酸化する真菌を利用し、Mn(II)、Co(II)、Ni(II)、V(V), Mo(VI)、W(VI)等のレアメタル類の多元素回収を、一種類の微生物とその生成物の化学的・鉱物学的な特性を利用することで、連続的に回収できるシステムの基礎知見を提供した。また、微生物由来の酵素反応により、種々のレアメタルを内包したMn複合酸化物を形成できることを世界ではじめて明らかにしたことは、学術的意義は高いと考えられる。
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