研究課題/領域番号 |
20K12224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 工学院大学 |
研究代表者 |
大倉 利典 工学院大学, 先進工学部, 教授 (70255610)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 粘土鉱物 / セシウム / リン酸マグネシウムガラス / リン酸塩ガラス異常現象 / ガラス固化 / 分相リサイクル / 分極処理 / 放射性物質 |
研究開始時の研究の概要 |
ヨウ素吸着性能評価により適切なマグネシウム化合物を選択し、anomalousタイプのリン酸マグネシウムガラスを用いてガラス固化体を作製する。セシウム、ストロンチウムについては、粘土鉱物による吸着、およびリン酸カルシウムガラスを用いてイオン交換により回収し、マグネシウムとの混合系ガラス固化体を作製する。得られた固化ガラスについて、DTA・XRD・FT-IR・Laser Raman、および浸出試験、ガンマ線照射試験等による評価を行う。さらに、このガラスの分相現象や結晶化によってできる各相の化学的耐久性の違いから、熱水・酸溶出法を用いてセシウム、ストロンチウムの抽出やリンの回収を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では、安価な粘土鉱物を吸着剤とし、Cs吸着粘土鉱物ごとリン酸マグネシウムガラスを用いてガラス固化する方法を検討した。吸着等温線より、モンモリロナイトMtsのCs飽和吸着量は119 mg g-1であった。焼成前のMtsとCs吸着MtsではMtsの回折ピークのみが見られ、焼成後のMtsではムライト、焼成後のCs吸着Mtsではポルサイトが生成した。焼成済みCs吸着Mtsのガラス固化範囲を調べたところ、最大で30mass%程度のCs吸着Mtsを固化できることがわかった。蛍光X線分析の結果、すべての固化体試料にCsが残存していることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在、原子力発電所事故により発生した放射性物質による汚染土壌の保管技術は確立しておらず、課題となっている。本研究では、安価な粘土鉱物を吸着剤とし、Cs吸着粘土鉱物ごとガラス固化する方法を用いた。粘土鉱物はAlやSiのようなガラス形成成分が主成分であるため、ガラス固化が可能であり、減容化をした上で長期安定的な保管が期待できる。MgO-P2O5系ガラス (MPガラス) はメタ組成 (MgO/P2O5=1)付近において、急激な密度低下が起こることから(リン酸異常現象)、より多くの廃棄物を取り込むことができる。本研究では、Cs吸着粘土鉱物の、MPガラスへの固化化の可能性を示した。
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