研究課題/領域番号 |
20K12227
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
宮脇 健太郎 明星大学, 理工学部, 教授 (00289521)
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研究分担者 |
遠藤 和人 国立研究開発法人国立環境研究所, 福島支部, 室長 (10353533)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 高溶存二酸化炭素 / 焼却灰 / 中和 / 炭酸カルシウム生成 / ウルトラファインバブル / 焼却灰中和 / 二酸化炭素溶存 / 炭酸中和 / 最終処分場 / 高pH浸出水 |
研究開始時の研究の概要 |
焼却灰埋立層は長期間アルカリ性を示し、排水基準に合致しない場合がある。二酸化炭素CO2を用いた焼却灰の炭酸化事例は多いが、焼却灰内部へはCO2が到達されず、十分な炭酸化が進まないことが課題となっている。本研究では、長時間水中で存在するといわれるウルトラファインバブル(UFB)を用い、焼却灰層にCO2高溶存水を供給し、微細空隙まで含めた焼却灰中和反応を促進する技術を検討することを目的とし、実験検証およびモデル化を検討する。
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研究実績の概要 |
高溶存二酸化炭素(CO2)水を用いた焼却灰中和反応に関する検討を継続した。今年度,ウルトラファインバブル(UFB)を用いたCO2の水への溶存については,UFBの長時間(ビーカーレベルでは少なくとも2日程度)の存在についてはレーザー光を用いた目視での確認は行えているものの,CO2溶存量自体は通常の溶解度程度となることが確認できた。UFB生成ノズルを用い生成した高溶存CO2水(CO2-UFB水)をカラム充填焼却灰層に流下させた試験を実施した(カラム試験)。浸透流出する浸出水pHは,純水流下と比較し早めにかつ大きく低下することが確認できた。またカラム試験終了後の焼却灰の溶出試験を実施し,pHが試験前焼却灰,純水流下焼却灰に比較し低下することが確認でき,焼却灰自体の中和が進行したことは確認できた。カラム試験終了後の焼却灰の表面を電子顕微鏡SEMにより観察したが,明確な炭酸カルシウム結晶成長などは確認できなかった。また試験的に一部のみX線回折(XRD)により化合物の推定も試み,カルサイト(CaCO3)のピークがやや増加する傾向が認められた。現在,継続して各種試験を実施中である。 研究分担者の本年度実績としては,焼却灰由来の浸出液に対する二酸化炭素吸収速度の検討を実施し、pHと二酸化炭素吸収速度との間には相関性があること、調整池等に比較して間隙水の方が吸収速度が速いことがわかった。現在、実験結果との比較から温度依存性を有する可能性があったことから、二酸化炭素吸収速度に対する温度依存性試験の検討を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度分は,1年間として予定された研究を遂行した。初年度2020年度当初約半年分の感染症関連での研究進捗遅延が影響し,全体としての研究進捗が半年以上遅延している状況となり,研究期間の延長を申請した状況である。また,細かな点としては,過去の知見が少ない二酸化炭素のウルトラファインバブルでの溶存に関して,予想したほど高濃度溶存が起きなかったことも,わずかではあるが遅延要因となった。
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今後の研究の推進方策 |
2020年度当初の全体計画通りの進捗を予定している(半年程度の遅延を除く)。今年度は,ウルトラファインバブルを用いた高溶存CO2水(CO2-UFB水)のガラスビーズ層流下での溶存CO2(IC:無機炭素で確認)量の変化を,流下速度,流下長さをパラメータに確認する。この試験により,実処分場への応用に用いることのできるデータが採取できる予定である。また,焼却灰層への流下試験(カラム試験)を継続し,焼却灰粒子表面での反応を,SEM-EDXによる表面分析,XRDなどを用いて検討する。 既に開始しているガラスビーズ層での試験において,CO2-UFB水のIC濃度の急速な減少が認められている。原因について検討中である。流下時のIC濃度を低減させない条件について,確認を進める予定である。
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