研究課題/領域番号 |
20K12228
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64020:環境負荷低減技術および保全修復技術関連
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研究機関 | 新潟薬科大学 |
研究代表者 |
大野 正貴 新潟薬科大学, 応用生命科学部, 助教 (40781216)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 逆浸透膜 / ファウリング制御 / ナノバブル / 次亜塩素酸ナトリウム / 持続可能な水処理技術 / 膜ファウリング / 生物膜 / スケール / 次亜塩酸ナトリウム / 複合ファウリング / 無機スケール |
研究開始時の研究の概要 |
逆浸透膜(RO膜)は世界的に主要な淡水化技術であるが、膜面上に付着形成する微生物の生物膜や無機塩類の析出物(スケール)による膜の目詰まり(ファウリング)は未だ深刻な問題である。水資源確保の観点から水源の多様化が進む中、これらのファウリングの複合化に伴って安定な水供給が困難を極めており、持続可能な膜処理システムの発展が切望されている。本研究課題では、塩素とナノバブルを用いて複合ファウリングの制御に向けた膜面洗浄手法を開発すると同時に、生物膜除去へのスケールによる妨害の影響と制御メカニズムを解明し、実液でのファウリング制御の実証から次世代に向けた持続可能な膜処理システムを構築する。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、逆浸透(RO)膜処理における微生物の生物膜や無機塩のスケールによる複合的な膜の目詰まり(複合ファウリング)の制御について次亜塩素酸ナトリウム(以降、塩素)とナノバブルを併用した洗浄手法の開発を目的とした。膜面に生物膜とスケールによる複合ファウリングを形成させ、塩素とナノバブルを用いた併用洗浄で、これを良好に制御できることが示された。特にその洗浄条件を検討から、洗浄時の操作圧力を低くすることでナノバブルの洗浄効果を高め、塩素とナノバブルの併用時には相乗的な洗浄効果があることが示された。また、本洗浄手法を適用することで複合ファウリングを長期安定的に制御できることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
RO膜を利用した水資源の確保は世界的にも深刻な水不足の解決のために重要な技術である。本研究成果は塩素の殺菌作用とナノバブルの浮上・剥離作用の相乗効果による高効率膜面洗浄剤として利用することで、これまでの膜処理において対応が不十分であった複合ファウリングを制御し、より持続的な膜処理を可能にする。多様化していく水源に対して膜面堆積物の種類に応じた対処が必要であったが、本手法ではその種類を問わず剥離除去できるため、原水水質の複雑な水源におけるファウリング制御を考える場合に重要な技術となる。また、ナノバブル特有の極小微粒子を活かしたファウリング制御の知見は今後の水処理技術の発展にも大きな貢献である。
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