研究課題/領域番号 |
20K12235
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64030:環境材料およびリサイクル技術関連
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
榎 牧子 東京海洋大学, 学術研究院, 准教授 (90342758)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 天然凝集剤 / アルギン酸 / ミクロゲル / 海藻 / バイオマス変換 / 凝集剤 / 水処理 |
研究開始時の研究の概要 |
アルギン酸は褐藻類に豊富に含まれる天然多糖であり、汚水中の懸濁粒子を凝集沈殿させる凝集剤として利用することができる。しかし、凝集剤として使用する際には、予め対象汚水にカルシウムイオン溶液などの多価カチオンを投入する必要がある(二液型)。このことは、使用方法のみならず、凝集沈殿の結果の予測を極めて煩雑にする。 本研究では、一液型の天然系凝集剤を創出するために、アルギン酸上にカルシウムイオンを分散させてミクロゲル化し、さらにカルシウムイオンを添加することでカチオン化することによって、「水中に分散するミクロゲル」としての一液型凝集剤とする手法を確立する。
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研究実績の概要 |
2020年度に高い性能を示す一液型アルギン酸凝集剤の調製条件の傾向が特定されたことを受け、2021年度は「凝集性能発現のメカニズムの解明」を目的とした。具体的には原料アルギン酸の性状(分子量など)がアルギン酸ミクロゲル(一液型アルギン酸凝集剤)の凝集性能に及ぼす影響の解析である。 まず、アルギン酸を豊富に含むホンダワラを原料として、塩酸処理(0~2.4 mol/L)および炭酸ナトリウム処理(0.01~2.0 mol/L)を施してアルギン酸系凝集剤を得、その分子量を測定した。その結果、得られるアルギン酸凝集剤の分子量が高い調製条件は、塩酸濃度が0.9 mol/L以下、炭酸ナトリウム濃度が0.075~1.000 mol/Lの範囲であった。また、アルギン酸凝集剤が比較的多く得られる条件は塩酸濃度が0.9~2.4 mol/L、炭酸ナトリウム濃度が0.075~1.000 mol/Lの範囲であった。このことから、アルギン酸の溶出を促すための塩酸処理と炭酸ナトリウム処理によってアルギン酸が分解して低分子量化すること、および、低分子量化の条件とアルギン酸溶出を促進する条件の間には相関がないことがわかった。 次いでアルギン酸凝集剤の調製条件ごとに、得られるアルギン酸凝集剤の分子量と凝集性能とを比較した。その結果、試験で用いた条件の範囲においては、分子量が大きいほど、凝集性能が低いという結果が得られた。分子量が大きいほど分子の沈降速度は速いはずであるが、今回の結果は分子サイズによる沈降速度促進効果以外の因子がより強く凝集性能に影響していることを示唆した。 目的のメカニズムを解明するためには、凝集性能と分子量との比較の範囲を広げるとともに、当初予定したMG比などのファクターの影響についても分析することが必要である。
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