研究課題/領域番号 |
20K12256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
町村 尚 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (30190383)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ツキノワグマ / 人身事故リスク / MaxENT / 生息域変化 / エージェントベースモデル / 個体群動態 / 個体群管理 / 将来予測 / 人身被害 / 事故リスク評価 / 自然要因 / 人為要因 / 生息地適性 / 堅果類作況 / 狩猟 / 野生動物管理 / MaxEnt / ARIES/k.LAB |
研究開始時の研究の概要 |
野生動物被害に対する政策支援ツールの開発を本研究の目的とし、以下の研究を実施する。①東北地方におけるツキノワグマによる人身事故リスクとその要因分析、②自然的要因(個体群動態とその変動要因)、社会的要因(人口、耕作放棄など土地管理)の変化によるリスク変化予測モデル開発、③政策支援ツールとしてモデルを社会実装。主要な方法は、①MaxEntによる人身事故の発生確率モデルの構築とリスク可視化、②自然要因(個体群動態モデル)と社会要因(将来推計)によるリスク将来予測のシナリオアプローチ、③開発モデルのARIES/k.LABへの実装とヒアリングによる評価である。
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研究成果の概要 |
日本におけるツキノワグマによる人的被害はこの数10年間増加傾向にあり、特に東北で深刻である。本研究は人身事故リスク低減施策に寄与するため、リスク評価と個体群管理の数値モデルを開発した。第1に、MaxENTを適用した人身事故リスク評価モデルである。ブナの作況によってモデルを分離し、良好な再現性を得た。人身事故リスクと要因は、ブナの作況で異なっていた。第2に、クマ個体の自律的行動を再現した空間明示的エージェントベース個体群動態モデルである。食物条件と狩猟ルールの複数のケースで、クマの生息地の拡大を再現できた。食物条件の個体群サイズへの強い影響と、狩猟による個体群サイズの安定化効果が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は負の生態系サービスである野生動物による被害、特に日本の一部地域では深刻なクマ類による人身事故リスクを対象とした研究である。野生動物被害対策は、被害軽減とともに動物個体群の保護を考慮する必要があり、具体的な施策立案実行において個体群管理方法(ゾーニング、頭数調整、駆除、奥山放獣など)の効果的な選択が困難である。本研究は数理的モデルを応用することで、人身事故リスク評価とその要因分析、要因変化・介入によるリスク変化予測、個体群管理による生息域と個体数の変化を定量的に示すことで、科学的な意思決定支援の可能性を示したものである。
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