研究課題/領域番号 |
20K12268
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64040:自然共生システム関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
小出 大 国立研究開発法人国立環境研究所, 気候変動適応センター, 研究員 (50761061)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 紅葉の色づき / 生物季節 / マルチスペクトルドローン / 衛星画像 / メカニズム / 定点観察カメラ / マルチスペクトル / ドローン / 植生指数 / 観測 / データベース / 解析 / 定点カメラ / 紅葉 / 色づきの強さ / 気候変動 / フェノロジー / 個体差・場所差 |
研究開始時の研究の概要 |
秋の紅葉景観は観光資源としても重要な生態系サービスである。しかし高山帯の一部では全く紅葉せずに葉が枯れ落ちてしまう現象が報告され、低地においても紅葉時期の将来的な遅れが予測されるなど、将来的な温暖化を見据えて紅葉のメカニズムの把握が必要とされている。そこで本研究は、最新鋭のマルチスペクトルドローンでの植生観測と国内の紅葉観察データの収集から、我が国における高山帯~山地帯までの紅葉の時期と、色づきの強さを左右する気象条件(気温・日射量など)を明らかにし、将来起こりうる紅葉の変化を評価する事を目指している。
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研究成果の概要 |
ブナ林において衛星画像を使って景観レベルの黄葉―気候関係を解析した結果、積算気温を用いて色づきの強さの季節変化をモデル化できた。さらに場所や年による気温の違いが、色づきの強さや色づくまでに必要な寒さの蓄積量に影響している事を記述できた。 ブナ林におけるより詳細な個体レベルの黄葉―生産性関係を解析したところ、低標高サイトほど色づきが強い傾向がある中、サイト内の個体スケールだと植生指数が高い個体ほど色づきが弱い関係が示され、強光や乾燥などの環境の個体差が影響していることが示唆された。 高山帯の紅葉では消雪日が色づきの強さに影響する関係が見られ、将来的な温暖化に伴い色づきが弱くなる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
秋の紅葉景観は観光資源としても重要な生態系サービスとして認識されているが、その生態的・生理的な研究はこれまで限られていた。これは特にどれほど強く色づくかという視点において顕著に研究が少ないため、本研究は紅葉景観の重要なKPIと言える色づきの強さに関して、その生態的・生理的なメカニズムに迫った点で高い学術的意義を有している。 また色づきの強さを気候値から予測するモデルを構築し、色づきの将来変化を予測した点などでは、より直接的に紅葉景観の価値とその将来的な気候変動に伴う変化を評価したものであり、高い社会的意義を示した。
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