研究課題/領域番号 |
20K12270
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
久保田 健 弘前大学, 地域戦略研究所, 准教授 (70400405)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 垂直軸風車 / 帆布翼 / 空力性能 / 数値流体計算 / 抗力型 / 風車設計 / 流体シミュレーション / 風力エネルギー / 再生可能エネルギー / トルク係数 / パワー係数 / 抗力係数 / 未利用エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
垂直軸抗力型風車のローテーションフロー風車は低風速で起動し、低回転速度時に高トルクを発生するため、風の動力直接利用が有望視される。直線翼を基本形に翼材を柔軟で弛みをもたせた帆布とした場合、低風速始動性の改善と低周速比時の風車の性能向上が確認できる。この原因は帆布が円弧を形成して抗力係数が変化することによるが形状によって増減する。本研究では風車の帆布翼の形状を調整した実験を中心に、流れと圧力場の計算を加味し、弛み量が及ぼす風車の起動風速やトルク特性等の変化をまとめて帆布翼風車の性能向上を、さらには帆布翼式垂直軸風車の設計指針を確立し、これまで未利用な低風速エネルギーの利活用という展開を目指す。
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研究成果の概要 |
8枚翼の垂直軸型風車の空力性能向上を目指した研究であって、実験に数値計算を併用して調査した結果、基本形である直線8枚翼風車では風車内部に流れ込む噴流(増速した流れ)が回転力に寄与していること、ならびにその噴流は逆方向への回転力を発生する翼が生成していることを突き止めた。風車の翼材に柔らかい帆布を用いて変形能を有した翼として、その形状を調整することで流れの制御を図り、風車性能は20%程度増加することを確認した。これと同時に本風車の仕様に起因して2次元数値流体計算が実験値を尤もらしく再現できない点の解決について検討、算術的な後処理で対応できることを見出したことで、性能の予測手法に目途をつけた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
柔軟な帆布を翼とする垂直軸の抗力型風車において、ギアのような部品を使うことなく受風時の風の力だけで翼形状を制御する設計によって、固定翼風車と比して取り出せる出力を約20%向上、あるいはより低速から始動する仕様を見出した。これによりエネルギーとして利用しにくい地上付近(低層)の低風速でも風車利活用の可能性を高めた。また、充填率の高い風車に対する2次元数値流体計算(CFD)の結果が3次元構造体である実際の風車における実験値と合わないことについて考察、長大な時間を要する3次元CFDをせずとも2次元CFD結果に比較的簡便な後処理を施すだけで実機の性能をおよそ予測できるとの工学的に有用な知見を得た。
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