研究課題/領域番号 |
20K12271
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
齋藤 優子 東北大学, 環境科学研究科, 准教授 (30712575)
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研究分担者 |
白鳥 寿一 東北大学, 環境科学研究科, 教授 (20396469)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 小型家電リサイクル / E-waste / WEEE / プラスチック / 二次原料化 |
研究開始時の研究の概要 |
小型家電リサイクルは「都市鉱山」として大きな期待が持たれたが,人口減少やプラスチックリサイクルを取り巻く状況の激変に直面し,今後処理インフラと社会実態との乖離が懸念される. 本研究では,セクター(一般廃棄物・産業廃棄物・自動車・家電等)の枠を越え廃プラを二次原料化する包括的な静脈システム・プラットフォームを定量評価分析により開発し,各種インベントリから基本戦略を策定するための根拠となる指標を科学的に解明する.小型家電リサイクルのボトルネックとなっている廃プラリサイクルに関し定量解析することでプラットフォームを築き新規学術研究フィールドを拓く挑戦的研究である.
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研究実績の概要 |
本年度は、昨年度4月に国が施行した「プラスチック資源循環促進法」を受け、製品プラスチック回収を開始する自治体が出てきたことから、製品プラスチック回収に混入した小型家電プラスチックの分析を行った。 実際に自治体が実施した製品プラスチック回収・リサイクル実証事業に参画し、サンプルを取得・分析することで、プラスチック二次資源としての資源性と課題について検討を行った。 プラスチック分析の手法に関する知見を得るため、ラマン分光やXRFを用いたスクリーニング分析から、元素分析、ICP-MS、GC-MS分析等の精緻な分析まで網羅的に行った。その結果、製品プラスチックとして排出されるもののプラスチック組成に加え、添加剤由来と考えられる元素の含有等についても明らかにすることができた。特に、ハロゲン含有については容器包装プラスチックリサイクルルートで再資源化する際の課題として捉えることができた。また、製品プラスチック回収に伴って、リチウムイオン電池等内蔵の小型家電、モバイルバッテリー等が排出される場合があり、EUとの法制度比較等も踏まえ課題として指摘した。これらの研究成果を国内外の学会で発表することができた。 一方で、今後新たに多量の排出が見込まれ、EUではWEEEの一つとして取り扱われる使用済み太陽電池モジュールに関する研究を行った。太陽光パネルに用いられるプラスチックに関する研究としては、フッ素樹脂とPETで構成される太陽光パネルのバックシートのリサイクルに関する知見を得た。これらの研究成果については論文投稿を行い、発行に至った。 小型家電リサイクルはリサイクル法制度の枠組みの変化やIT化による製品の多様化に伴い複雑化が進んでいることから、科学的知見の蓄積によるリサイクル技術・システムの最適化の重要性が増している。本研究の成果によりその実態を示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題は昨年まで、新型コロナウィルス感染拡大防止対策等の影響を大きく受け、思うように現地調査を行うことができなかった。しかしながら、webシステムの活用や、近隣自治体の協力を得る等研究の方針を変換することで研究成果をあげることができた。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題の目的は小型家電に用いられるプラスチックの資源性についての知見を得ることにある。これまでの研究で、小型家電に用いられるプラスチックに様々な添加剤が使用されていることが明らかとなった。また、機能性を付与するために添加する添加剤の元素が近年変わってきていることも明らかにすることができた。 そこで今後は変化が見られる添加剤に焦点を当て、その資源性とリサイクルにおける課題の抽出を行う。
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