研究課題/領域番号 |
20K12274
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64050:循環型社会システム関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
中川 清晴 関西大学, 環境都市工学部, 教授 (50421409)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 水処理 / 電気二重層 / マリモナノカーボン / メソ孔 / 希薄イオン / 炭素電極 / 移動度 / クーロン力 / 選択除去 / 電気二重層吸着 / 希薄イオンの除去 / アニオン / ナノ炭素繊維 / 希薄水溶液 / セシウムイオン / ストロンチウムイオン / 硬水の軟水化 / 細孔径 / メソ孔性ナノ炭素繊維 |
研究開始時の研究の概要 |
電位二重層の原理を利用した水処理技術は近年、注目され報告も増えてきているが実用化には未だ多くの課題がある。さらに新規炭素系ナノマテリアルの効率的な合成法の研究開発はほとんどが装置改良の段階で留まり、化学反応の精密制御、原子・分子レベルでの反応制御を行う触媒開発といったグリーンサステイナブルケミストリーを指向する研究はまったく手がつけられていないのが現状である。本研究の発展により、新しい水処理技術の確立とナノカーボンマテリアルを新しい分析技術の材料として利用した新しい展開が同時に期待され、ナノマテリアルを実際の先進分析技術に導入する新たな指針となると確信している。
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研究成果の概要 |
電気二重層吸着による水処理技術は、電荷を物理的に蓄えるため、可逆的に充放電が可能でかつ寿命が長いことから、水中のイオン除去が可能である。従来は活性炭などのマイクロ孔性材料が使用されてきたが、希薄溶液中では、電気二重層の拡散二重層の厚みが増すので、マイクロ孔性材料では除去性能が低下する。そこで、ナノ炭素繊維の集合体であり繊維間にメソサイズの空隙を持つ新規炭素材料であるマリモナノカーボン(MNC)を合成し、 電極材料としての適応を試みた。希薄イオンを吸脱着する上では、マイクロ孔性材料よりもメソ孔性材料が優れており。希薄イオンの除去に有効であることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水資源の確保は、世界的に社会生活や地球環境保全にとって重要な問題である。今までこれらの除去対策として、イオン交換、逆浸透膜、活性炭素吸着法などが採用されている。しかし、これらは再生処理が必要で除去作業やコストを使用エネルギーを低減する必要がある。電気二重層の原理を用いた水処理技術は、電極の再生利用が容易であり、上述の従来の技術と比較すると特に希薄溶液の処理において優れたエネルギー効率を示す。希薄イオンを吸脱着する上では、マイクロ孔性材料よりもメソ孔性材料が優れており、電極に用いたメソ孔性マリモナノカーボンの表面改質による電気容量の増加は、 特にメソ孔性材料に対して有効であることが示唆された。
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