研究課題/領域番号 |
20K12280
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
古澤 慎一 新潟大学, 自然科学系, 助教 (40588315)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 共有価値創造 / 起業家 / 探索的分析 / ダイバーシティ / ダイバーシティ・マネジメント / 農業と非農業 / 進化ゲーム理論 / 非対称模倣ダイナミクス / 食品産業 / 認知革新 / 残余利益モデル / テキストマイニング / 社会的企業 / フードシステム / 経営戦略 / TEM(複線経路・等至性モデル) / イノベーション / 組織学習 / 中間支援組織 / 農業・食料システム |
研究開始時の研究の概要 |
社会的問題を革新的な手法・仕組みによって解決する社会的企業によるイノベーションは、農業・食料システムのサステイナブルな発展に寄与し得るものと考えられるが、このような視点からの研究はほとんど行われていない。そこで本研究では、主に日本を対象として、農業・食料システムにおける社会的企業のイノベーションの創出メカニズムとその影響を明らかにするこ。これにより、サステイナブルな農業・食料システムに資する政策的含意を導出する。
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研究実績の概要 |
本研究は、農業・食料システムにおける社会的企業のイノベーションの創出メカニズムとその影響を明らかにすることを目的として、研究を進めている。今年度に進めた研究は大きく2点に分けることができる。 第1に、農業農村開発における社会的起業家の起業家の認知革新及び共有価値創造に関する探索的分析をおこなった。その結果、社会起業家の特徴には共通点と固有の点があることが明らかになった。どの起業家も起業活動を通じて「問題意識」と「顧客志向・真のニーズ」の二つの要素が高い水準に達している点が共通している一方、「学ぶ動機と機会」「連携・ネットワーク」「多様性・柔軟性」の要素については起業家によって高低のバラツキが見られた。また、これらの要素は試行錯誤と学習を通じて改善されていることが分かった。次に、進化ゲーム理論(非対称模倣学習ダイナミクス)を援用し、農業者と消費者の認知・行動変化を考慮した共有価値創造に対する協力行動のモデル化を行い、シミュレーション分析を行った。モデルの構築においては、利他性、社会関係資本、選好の変化を明示的に扱えるように工夫した。 第2に、農業と非農業におけるダイバーシティマネジメントに対する大規模アンケート調査を実施し、定量的分析を進めた。アンケート調査の主な項目は、イノベーション志向、キャリア志向や職場・仕事に対する考え、ダイバーシティやそのマネジメントに対する考え、職場での取り組み状況・効果などである。 なお、関連の深いテーマとして、日本と中国における都市農業における社会的起業家精神の発現メカニズムの分析を進めた。また、消費者の食品ロス削減意識・行動に関するアンケート調査結果に共分散構造分析を適用し、解析を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究成果は予想通り生み出されており、おおむね順調である。なお、新型コロナの感染拡大防止のため、当初計画したとおりの現地調査は実現できなかったが、計画を一部見直し進展させることができている。
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今後の研究の推進方策 |
①社会的起業家精神の定量的データを解析する。また、混合研究法アプローチの視点から社会的企業のイノベーションの質的分析と量的分析を融合させる。 ②農業と非農業におけるダイバーシティ・マネジメントに関する定量的データを解析する。 ③向社会的行動に関する消費者・事業者の認知・行動の実態と変化に関するアンケート調査を実施し、解析を行う。 ④研究成果の積極的な発信(日本語・英語)を行う。
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