研究課題/領域番号 |
20K12305
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
|
研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
篠木 幹子 中央大学, 総合政策学部, 教授 (20398332)
|
研究分担者 |
阿部 晃士 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (50305314)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | 高齢化社会 / 高齢者ごみ出し支援制度 / ごみ分別 / 高齢者ごみ出し支援 / ごみ分別制度 / 社会的ジレンマ / 高齢者支援 / 実証研究 / 社会調査 |
研究開始時の研究の概要 |
高齢人口の増加は、既存のさまざまな社会制度に再検討を迫っている。環境政策の中でもごみ問題に焦点をあてると、家庭ごみに関して、多くの自治体は住民の協力を前提としたごみ分別・収集制度を採用してきたが、高齢人口の増加はその前提に疑問を生じさせる。本研究では、住民の協力を前提とした既存のごみ分別・収集制度は高齢化社会で十分に機能しうるのかという問いを、各自治体のごみ分別制度と高齢者ごみ出し支援制度の関係および、高齢者のごみの分別行動の影響という観点から検討する。そのために、自治体への聴取調査および全国の市町村に対する調査票調査を実施し、高齢化によって生じるごみ分別・収集制度の問題点を明らかにする。
|
研究実績の概要 |
本年度は、(1)聴き取り調査の実施および(2)調査票の作成を行った。 聴き取り調査については、2018年から制度が始まった仙台市を対象とした。仙台市では、2018年10月から、地域ごみ出し支援活動促進事業がはじまった 。この制度は、各地域においてごみ出しを手伝う団体に対してその活動を支援・促進する事業であり、支援を行いたいと考えている団体が登録を行い、支援対象者がいた場合、交付の申請を行うという形である。本制度が始まって4年目となる仙台市では、登録団体数は、2018年度の19団体から、24団体、36団体、42団体と順調に増加し、2022年度には50団体となった。ただ、実際に支援を行ったかどうかをみてみると、初年度は26%の団体が支援を行ったが、それ以降は約40%から50%の団体が支援を行っており、実際に活動している団体は登録団体の半分であるということが分かった。 支援を必要とする世帯数は年々増加し、総支援回数は初年度の179回から、2021年度には5,355回と増加した。今後、さらに支援を必要とする世帯数は増加する可能性がある。その一方で、支援が必要な世帯がある地域に、登録団体がいないなどの問題が生じている。また、支援を受けられる世帯は、「介護保険の要介護の認定を受けている」「身体・精神障碍者手帳の交付を受けている」などの要件を満たす必要があるが、介護保険や障碍の有無の個人情報の扱いに支援登録団体が慎重な姿勢をみせていたことから、2022年から手続きが簡素化された。以上のことから、社会の状況や実際に支援をする団体の意向を受け、手続きなどを柔軟に変えながら、制度を定着させている様子が明らかになった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本年度は聴き取り調査を実施しつつ、その知見を踏まえて量的調査実施に向けた調査票の検討を行った。組織に対する調査票調査となるため、回答担当となった人が答えやすいように質問項目の工夫をしつつ、実査方法の検討に時間を要したため、進捗が遅れ気味である。
|
今後の研究の推進方策 |
今後は、本研究の中心的な調査である日本の全市町村に対する高齢者ごみ出し支援制度に関する調査票調査を実施し、分析を行う。この調査によって、各市町村が抱えるごみ出し支援の問題点を描き出し、高齢者のごみ出し支援制度の課題と今後の可能性を検討する。
|