研究課題/領域番号 |
20K12310
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分64060:環境政策および環境配慮型社会関連
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
岸川 洋紀 武庫川女子大学, 生活環境学部, 准教授 (70469071)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | リスクコミュニケーション / 新型コロナウイルス / メディア / 安全・安心 / COVID-19 / ワクチン接種 / ワクチン忌避 / メディア報道 / リスク認知 / 記事見出し / 環境リスク / マスコミ / 報道 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,環境リスクに関する一般市民のリスク認知やリスク回避行動に対して,日々の生活の中で接する報道がどのように影響を与えているのか,その実態を検証することを目的とし,質問紙調査および報道の分析を行う。 2020年4月現在,新型コロナウィルスの流行により社会に大きな影響が生じ,多くの人が不安を抱え生活している。専門家や政府が発する情報が一般市民へ正確に伝わることが非常時のリスクコミュニケーションにおいては重要であるが,この点についてどのような問題があるかについてもあわせて検討を行う。
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研究実績の概要 |
新型コロナウイルス感染症を主な対象とし,危険性の認識が2020年から2023年度にかけてどのように変化したのかについて検討を行った。2023年度は2024年度に実施予定の調査の情報収集のための予備調査の位置づけとし,大学生332人を対象としたwebアンケートを行い,96人から有効回答を得た。その結果,以下の結論や課題を得た。 2020年度の緊急事態宣言発令時と比べると,2023年度時点ではコロナウイルスへの危険性の認識,感染可能性の認識,重症化リスクの認識とも低下していることが確認された。また,感染対策の実施も減少し,感染対策による社会への悪影響への認識は増加する傾向が認められた。これらの関係性について検討した結果,危険性の認識の低下は,重症化リスクを低く捉える変化と関連していることが明らかとなったが,感染可能性との間に関連はみられなかった。また,感染対策の実施状況とコロナウイルスへの各種認識との関連は認められなかった。 メディアからの感染症情報の取得状況と各種認識の関連性を検討したが,統計的に有意な関連は認められなかった。テレビやネットといった情報源となるメディア媒体が異なることによる影響も単変量解析では発見できなかった。 今後パンデミックが再度発生した際にどのような規制をとるべきかとの質問では,約半数がコロナと同程度の対策,約半数がより強い対策をとるべきと回答しており,弱い対策で良いという回答者は極めて少なかった。コロナ対策を過剰にとったと考える回答者が一定数存在しており,規制や対策を取ることへの反対意見が存在するのではないかと仮定していたが,結果は逆であった。 今回の調査で得られた関連性について,全国的な調査などを行い広い年齢層などでも検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究開始年度にコロナウイルスの問題が発生し,リスクコミュニケーションやリスクとメディアの関連性について主な研究対象とする本研究においても,新型コロナの問題を調査対象として含むことが必要となった。2023年度は新型コロナの2類から5類への移行などがあったが,この変化による影響を含めて,リスクの捉え方が流行当初とどのように変わったかを検討することを調査内容に含めることが必要と判断し調査の計画実施を行った。この変更により若干の研究計画の遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度は,2023年度に行った予備調査の結果をふまえた調査を行う予定である。予備調査で新しく追加で検証すべき点や当初設定した仮説を変更する必要がある点などについてある程度把握できているので,これらを質問票に反映させた上で調査を実施する計画である。
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