研究課題/領域番号 |
20K12337
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 大阪工業大学 |
研究代表者 |
川田 進 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10288756)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | チベット仏教 / イスラーム / 宗教政策 / 宗教事務管理 / バングラデシュ / タイ / 中国ムスリム / 宗教問題 / 民族紛争 / 韓国仏教 / タイ仏教 / 中国共産党 / 潜伏キリシタン / 宗教ネットワーク / ベトナム / 宗教紛争 / 海外宗教ネットワーク / ミャンマー / 東チベット / 政教関係 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、仮説「現代中国の宗教紛争を読み解く鍵は、中国共産党の「宗教の中国化」政策の解明と海外宗教ネットワークの展開にある」の証明である。 研究終了時に、中国共産党の宗教政策の推移から「宗教の中国化」政策が登場する過程を示し、現代中国の宗教紛争を緩和する有効な手段として、周辺国に張り巡らされた宗教ネットワークが有効に機能していることを明らかにする。 研究成果の社会還元として、①日本社会のイスラーム理解の不足を補い、②人間の安全保障への理解を深め、③企業や個人の海外での安全確保に資することを目指す。
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研究実績の概要 |
2023年度も本研究課題が重視した中国での現地調査を実施することはできなかった。その理由は、中国国内の政情不安である。中国政府が国内の治安維持を一層重視する方向に舵を切ったため、外国人研究者が中国国内で宗教問題や民族紛争に関する現地調査を行うことは危険を伴うことを意味する。このことが研究課題を遂行する上で大きな障壁となったことは大いに悔やまれる。そこで、現代中国の宗教状況を理解する上で関連のある調査を国内および国外で実施した。 国内では4月に瑞龍寺(富山県高岡市)、7月に犬鳴山(大阪府泉佐野市)、10月に金峯山寺(奈良県吉野町)、2月に一願寺(和歌山県田辺市)、3月に金剛院(京都府舞鶴市)にて在日華人の仏教信仰について調査を行った。さらに10月に高麗寺(京都府南山城村)、11月に石巻モスク(茨城県石巻市)、大衡モスク(茨城県大衡村)にて在日韓国人、インドネシア人、パキスタン人、バングラデシュ人のイスラーム信仰と土葬墓地に関する調査を実施した。 国外では7月にマレーシア、12月にバングラデシュにて在外華人のイスラーム信仰の現状を観察し、11月台湾、12月タイにて在外華人の仏教信仰の動向を調査した。その結果、在外華人の宗教信仰の動向から、中国の宗教政策が抱える問題点をある程度把握することが可能となり、研究の進展を得ることができた。 その他、雑誌「中国宗教」「中国ムスリム」「中国西蔵」「中国民族」に掲載された記事から、中国共産党の宗教政策、宗教事務管理、少数民族政策、宗教の中国化政策の動向を抽出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究課題開始から4年目が終了したが、コロナ禍および中国国内の政情不安により、4年間一度も中国渡航を実施する機会が得られなかった。当初予定していたラルン五明仏学院とヤチェン修行地(中国四川省)にて現地調査を行うことができなかったため、研究の進捗状況はやや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は2023年度に最終年度を迎えたが、研究の進捗に遅れがみられるため、研究期間を1年間延長する手続きを行い承認された。2024年度は中国国内の政情が落ち着いているようであれば、四川省内のチベット仏教文化圏にて中国共産党の宗教政策に関する調査を実施する。中国での調査が困難な場合は、スリランカ、ラオス、台湾にて在外華人の宗教信仰の動向を調査する予定である。並行して中国政府系雑誌に掲載された文献を中心に、仏教とイスラームの分野で現代中国の宗教状況を考察する。
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