研究課題/領域番号 |
20K12352
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
渡辺 靖 慶應義塾大学, 環境情報学部(藤沢), 教授 (70317311)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | アメリカ / 白人 / ナショナリズム / オルトライト / 白人ナショナリズム / 米国 / 社会 / フィールドワーク / 極右 |
研究開始時の研究の概要 |
過去10年ほどの間に米社会では「オルトライト」(新極右)と称される白人ナショナリズムが台頭しているが、近年、彼らはヨーロッパやオセアニアにも活動範囲を広げ、各地の極右勢力との連携を深めている。本研究ではマルチサイテッド・エスノグラフィの手法を通して、米国のオルトライトの理念や手法がヨーロッパやオセアニアの白人ナショナリストにどのような影響を与え、かつ逆に、どのような影響を受けているかを調査分析する。
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研究成果の概要 |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、2020年度は占領期の日本における白人(白人アメリカ人)をめぐる認識や受容の歴史に関する文献調査に切り替えた。2021年度は当初予定していたウクライナ訪問が不可能になった。そのため、米国で白人ナショナリストの活動家などへのヒアリングを行った。2023年度は極右勢力が台頭しているイタリアで調査を行った。2024年は、比較分析の見地から、イスラム過激主義の動向と対策についてインドネシアで調査を行った。オルトライトは自国第一主義的な外交政策と親和性が高いが、そうした内向きのナショナリズムの影響を最も受けやすい地域として台湾と韓国で調査を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
コロナ禍によって直接的なアウトリーチが困難になったものの、その代替手段としてZoomなどを利用したコミュニケーション、あるいは秘匿性の高いSNSなどを通して、オルトライト運動がトランスナショナルなネットワークを構築していることが明らかになった。また、反ワクチンや反ロックダウンなどの政策、さまざまな陰謀論との関係も把握することができた。さらにはオルトライトを過激主義の一つとして捉え、他地域の過激主義との比較を行い、かつ自国第一主義的なナショナリズムとの関係などを考察した。いずれも現代が直面する課題であり、学術面のみならず、より広い公益に資するものと考える。
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