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「みえる」移民、「みえない」移民――漁船、水産加工、魚食とインドネシア人

研究課題

研究課題/領域番号 20K12357
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分80010:地域研究関連
研究機関南山大学

研究代表者

間瀬 朋子  南山大学, 外国語学部, 准教授 (80751099)

研究分担者 小池 誠  桃山学院大学, 国際教養学部, 教授 (00221953)
長津 一史  東洋大学, 社会学部, 教授 (20324676)
合地 幸子  東洋大学, アジア文化研究所, 客員研究員 (60836542)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワードインドネシア / 移住労働者 / 帰還移民 / 漁船員 / 水産加工労働者 / 技能実習生 / 特定技能 / 地域研究 / 移民労働者
研究開始時の研究の概要

本研究が注目するのは、インドネシアが送り出す漁船員としての移民労働である。「移民労働者目線の」人類学的な手法に基づく地域研究の立場より、外国籍漁船での就労以前から帰還後の再統合までの移民労働者個人の実態を明らかにする。そして、就労地(船籍)や就労地コミュニティでの共生の様態にみる相違が、帰還後の再就職、出身コミュニティでの再統合や移民労働の再生産に影響することを立証する。
世界の魚食を担うようになったとはいえ、外国籍漁船で就労するインドネシア人の姿は「みえにくい」。「みえやすい」看護・介護、家事労働との比較の視点をもって、インドネシアからの移民労働がもつ社会経済的な意義を多面的に提示する。

研究実績の概要

漁船員や水産加工労働者として海外移住労働をする(又は海外移住労働を経験した)インドネシア人を対象とする本研究は、その移住先(日本及び台湾の数カ所)と出身地(主にジャワ島北海岸地方)の双方で聞き取りや観察を含むデータ収集を実施してきた。
2023年度は、(1) 水産・漁業分野の技能実習生又はマルシップ漁船員として就労するインドネシア人の世界的パンデミック時代における実態、(2) しばしばみられるようになった技能実習から特定技能への在留資格の変更、(3) 移住者コミュニティとしてのモスクが移住先での適応に果たす役割、(4) (技能実習、特定技能、マルシップとの比較として)日系人の在留資格による就労と生活の4点に焦点を当てて、移住先(日本)でのデータ収集を実施した。出身地(インドネシア)の調査では、ポスト・パンデミック時代の海外移住先とその選択方法の変化に注目して、聞き取りや観察を進めた。
研究代表者の間瀬朋子は、静岡県でマルシップ漁船員、広島県で日系インドネシア人に聞き取りを実施した。また、ジャワ島北海岸地方でポスト・パンデミック時代の海外移住先の変化、帰還後の再統合に関する情報を収集した。研究分担者の小池誠は日本各地のモスクを訪れ、インドネシア人コミュニティのあり方を明らかにする調査をおこなった。長津一史は、宮城県でインドネシア人漁船員及び水産加工労働者への定点観察を継続中である。合地幸子は、技能実習から特定技能に切り替えて来日するようになったインドネシア人と交流して、データ収集した。
本研究のメンバー全員がパネリストとして参加した公開セミナー(2023年10月)を機会に収集ずみの資料・データをまとめ、最終的な結論を導くための追加的なデータや調査の必要性を確認し、2024年度への準備を整えた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020~2022年度は思い通りに海外渡航できない状況に置かれたため、「フィールド調査を主軸とする」とした本研究の元々の方法やスケジュールに大幅な見直しが必要となった。2023年度はジャワ島北海岸地方を2度訪問し、世界的なパンデミック時代の移住労働者の海外送り出し状況のほか、ポスト・パンデミック時代の新たな送り出しパターンに関する聞き取りと観察を実施した。それにより、本研究はやや遅れを取り戻し、軌道修正しつつある。
しかし、多数のインドネシア人漁船員が就労中の台湾での調査は、諸々の事情により2023年度も実施できなかった。2024年度の前半に予定している台湾調査の実施によりさらなる軌道修正を試み、本研究全体としての結果を導き出せるよう最大限努力する。

今後の研究の推進方策

2024年夏にもう一度、漁船員として海外移住労働するインドネシア人の出身地(ジャワ島北海岸地方)でデータ収集をおこない、海外移住労働の送り出しパターンとその変化、帰還後の再統合に関する最新状況を把握する。また、2024年秋までに移住先(台湾)での調査を実施する。これらを最終のフィールド調査とし、2024年秋以降は調査データを分析し、本研究全体としての結論を導き出す作業に専念する。
2024年度には、本研究メンバー各自の調査データを持ち寄り検証する研究会(対面/オンライン)を2回開催する予定である。
本研究の成果は、2024年末に予定されている研究大会等での口頭発表のほか、学術誌への投稿論文として公開することにする。

報告書

(4件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 2020 実施状況報告書
  • 研究成果

    (20件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (4件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 5件) 図書 (4件)

  • [雑誌論文] 帰還移民の社会的再統合に関する比較研究――日本就労経験者を中心に――2023

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 雑誌名

      アジア文化研究所研究年報 = Annual Journal of the Asian Cultures Research Institute

      巻: 57 ページ: 211-218

    • DOI

      10.34428/00014232

    • URL

      http://id.nii.ac.jp/1060/00014232/

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • オープンアクセス
  • [雑誌論文] コロナ禍における生活様式の変化(第1報)――茨城県・漁業技能実習生――2023

    • 著者名/発表者名
      合地幸子
    • 雑誌名

      研究年報

      巻: 57 ページ: 104-116

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 東南アジアにおける帰還移民の社会経済的再統合―日本就労経験者を中心に2021

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 雑誌名

      アジア文化研究所研究年報

      巻: 55 ページ: 165-169

    • NAID

      120007041485

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 人の国際労働移動を通してみる親子の関係性―インドネシア人技能実習生とその家族を中心に―2021

    • 著者名/発表者名
      合地幸子
    • 雑誌名

      アジア文化研究所研究年報

      巻: 55 ページ: 21-32

    • NAID

      40022567829

    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] なぜいまインドネシア人漁船員なのか?2023

    • 著者名/発表者名
      間瀬朋子
    • 学会等名
      南山大学アジア・太平洋研究センター主催セミナー「インドネシア―ベトナム比較討論セミナー「比較のなかの移住労働―― インドネシア人とベトナム人の経験から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 気仙沼とインドネシア2023

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 学会等名
      南山大学アジア・太平洋研究センター主催セミナー「インドネシア―ベトナム比較討論セミナー「比較のなかの移住労働―― インドネシア人とベトナム人の経験から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 台湾におけるインドネシア人移民2023

    • 著者名/発表者名
      小池誠
    • 学会等名
      南山大学アジア・太平洋研究センター主催セミナー「インドネシア―ベトナム比較討論セミナー「比較のなかの移住労働―― インドネシア人とベトナム人の経験から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 漁業・技能実習生2023

    • 著者名/発表者名
      合地幸子
    • 学会等名
      南山大学アジア・太平洋研究センター主催セミナー「インドネシア―ベトナム比較討論セミナー「比較のなかの移住労働―― インドネシア人とベトナム人の経験から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] グレーゾーンでやってきた:特定技能の取得を求めて2023

    • 著者名/発表者名
      合地幸子
    • 学会等名
      インドネシア研究懇話会第5回研究大会・シンポジウムB「変わりゆく日本への移住労働―技能実習・特定技能の事例から」
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 大阪のモスクに集うインドネシア人ムスリム2023

    • 著者名/発表者名
      小池誠
    • 学会等名
      桃山学院大学インドネシアとの相互的文化交流に関する総合的研究(Ⅳ)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] バジャウとマグロ 海民のグローバルヒストリーを考えるための素描2022

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 学会等名
      東京大学ヒューマニティーズセンター(HMC)第84回オープンセミナー『東南アジアから/で世界を視る:人文系地域研究のアクチュアリティ
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] マグロとアジアと日本人―気仙沼のインドネシア人船員・実習生からみえること2021

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 学会等名
      オンライン講演「梨の木ピースアカデミー[コース 11] 村井吉敬の小さな民からの発想 Part.2」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 気仙沼とインドネシア―マグロをめぐる移動社会史の素描2021

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 学会等名
      山形大学人文社会科学部オンライン講演「移民社会における多文化共生論」
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Social Dynamics of Diasporic Indonesian in Japan: Towards a Comparative Social History2021

    • 著者名/発表者名
      Nagatsu, Kazufumi
    • 学会等名
      Indonesian Institute of Sciences (LIPI) in collaboration with The Japan Foundation
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 移動と混淆―東南アジア・バジャウ人にみる共生の技法2021

    • 著者名/発表者名
      長津一史
    • 学会等名
      梨の木ピースアカデミー[コース 11] 村井吉敬の小さな民からの発想 Part.4
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] The Sea Peoples’ Arts of not Being Governed: Genealogy of the Bajau and its Political Settings in Nusantara2021

    • 著者名/発表者名
      Nagatsu, Kazufumi
    • 学会等名
      インドネシア研究懇話会第 3 回研究大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] コモンズとしての海2022

    • 著者名/発表者名
      秋道智彌・角南篤(編著)
    • 総ページ数
      279
    • 出版者
      西日本出版社
    • ISBN
      9784908443695
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] Sea Nomads of South-East Asia Past and Present2021

    • 著者名/発表者名
      Berenice Bellina, Roger Blench, Jean-Christophe Galipaud (eds.)
    • 総ページ数
      448
    • 出版者
      National University of Singapore
    • ISBN
      9813251255
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] 大学的オーストラリアガイド こだわりの歩き方2021

    • 著者名/発表者名
      鎌田真弓(編著)
    • 総ページ数
      320
    • 出版者
      昭和堂
    • ISBN
      9784812220160
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [図書] インドネシアにおける移民労働の社会経済的意味―漁船員・水産加工労働者から考える―(ACRI Research Paper Series: 20)2021

    • 著者名/発表者名
      長津一史(編)/ 間瀬朋子;小池誠;合地幸子(共著)
    • 総ページ数
      34
    • 出版者
      東洋大学アジア文化研究所
    • ISBN
      9784904279205
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2020-04-28   更新日: 2024-12-25  

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