研究課題/領域番号 |
20K12360
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
小原 江里香 久留米大学, 経済学部, 准教授 (30400203)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 労働市場 / 中国 / シェアリン・グエコノミー / ギグ・ワーカー / 非正規就業 / 非正規経済 / 都市労働市場 / シェアリング・エコノミ- / 階層 |
研究開始時の研究の概要 |
中国では労働契約を結ばずに単発で利用者にサービスを提供して報酬を得るシェアリング・エコノミー就業者が急増している。彼らの多くは農村戸籍者であり、極めて不利な就労環境に置かれている。 本研究では、中国の都市労働市場全体、出稼ぎ労働市場、シェアリング・エコノミー就業者の3つのレベルから、労働市場の階層化の趨勢を明らかにする。とりわけ、シェアリング・エコノミー就業者の参入の経緯や理由、退出後の職業動向の分析を通じて、従来の中国労働市場の特徴であった、都市戸籍者と農村戸籍者間の不平等構造と、シェアリング・エコノミー就業の拡大がいかなる関係にあるのかについて考える。
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研究実績の概要 |
本研究では中国での現地調査を予定していたが、調査実施が厳しい現状をふまえ、これをを断念し、昨年度に続いて「問巻星」と呼ばれる調査プラットフォームを活用した予備調査を実施した。また、本研究テーマと関連のある先行研究を収集・整理し、論点の整理を進めた。 本研究は中国の労働市場の階層性とその固定化を検討するものだが、近年中国の労働市場をめぐっては、失業率の高まりが国内外で注視されており、その現状をより詳しく把握する必要があると考えた。そこで、調査プラットフォーム「問巻星」を利用して、2023年11月14日から6日間にわたって上海市の失業者を対象にアンケート調査を実施した。有効回答数は51と小規模な調査であり、母集団の大きさをふまえると適切なサンプルサイズとはいいがたいが、調査結果からはいくつかの傾向が読みとれた。以下、整理する。①大半の失業者は、ネットを介した単発の仕事を請け負うことによって最低限の生活費を確保している、②失業者は合同企業説明会への参加、オンライン求人プラットフォームの利用、知人の紹介など様々な方法で求職活動を行っている、③特に女性の失業者の半数以上は結婚については前向きであるものの、子どもはいらないと考えている。 今回の調査では、ネットを介した単発の仕事が失業者の生活を支える役割を果たしているという重要な示唆を得た。ただし、サンプルサイズが極めて小さいことに加えて、単発の仕事に関する詳細な情報が得られないなど質問項目の構成にも問題があることが判明した。本調査の際にはこうした点を改善し、さらに「流動人口数据平台」のデータを活用して研究の遅れを補いたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現地調査の実施が厳しい状況が続いた。ただし、オンライン調査を利用して予備的調査を行ったので、大幅な遅れを免れた。
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今後の研究の推進方策 |
予備調査の結果を踏まえて、再度調査内容を検討する。同様のオンライン調査の実施及び、「流動人口数据平台」を含め別のデータベースの利用を検討する。
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