研究課題/領域番号 |
20K12366
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
パイチャゼ スヴェトラナ 北海道大学, メディア・コミュニケーション研究院, 准教授 (10552664)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
|
キーワード | サハリン帰国者 / 移民受け入れ政策 / 移民教育 / 母語教育 / 韓国語教育 / ロシア語母語話者移民 / 帰国者 / 帰国制度 / アイデンティティ / ロシア語教育 / エスニック帰還移民 / 社会適応 / 教育 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、韓国での出稼ぎ「帰還移民」(朝鮮系中国人、朝鮮系ロシア語母語話 者)と終戦直後に「引揚」ができなかったサハリン帰国者1世の問題を2つの群に分けて捉え てきた。しかし、現代においては従来の枠組みでは捉えきれない独特な「帰還」体験を持つ サハリン帰国者の若い世代(2世・3世)が増えている。この人たちは、1世である両親が韓 国に「帰国」するため移動するが、2世・3世に向けた帰国支援プログラムが存在しないため、 出稼ぎ「帰還」移民と同じような生活をすることになる。この人たちの体験を視野に入れず に、サハリン帰国者の実態を十全に捉えることはできない。
|
研究成果の概要 |
本研究では、今まで研究対象にならなかった2世以降のサハリン帰国者の体験を視野に入れ、次の問題を明らかにした。①政治的・社会的・文化的な包摂/排除のメカニズムを検討しながらサハリン帰国者のホスト社会への適応問題の特徴。②サハリン帰国者と他の朝鮮族「帰還移民」、特にロシア語母語話者との接触のなかで発生するナショナルおよびエスニックな帰属意識。③日本のサハリン帰国者と韓国の2世・3世の自己アイデンティティや各言語に関する意識。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究対象であった安山市は、北海道と同様でサハリン帰国者を受けれている地域である。そのため、樺太帰国者に関する研究は非常に意義がある。日本は韓国よりも早くサハリンからの帰国者2世を受け入れ、子どもの教育支援をはじめた。そこで、研究代表者は日本におけるサハリン帰国者と関連する問題の知識、地域組織への支援の経験などの研究成果及び支援経験を韓国側に提供した。ただし、現在は韓国での移民の増加が日本よりはるかに早く、それに応じて政府の対応も迅速である。したがって、日本側の研究者もこのプロセスを観察・分析することがとても重要である。今回の研究成果を日本の研究者、行政、NPOなどにも提供ができると考えられる。
|