研究課題/領域番号 |
20K12369
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
金 明美 静岡大学, 情報学部, 教授 (50422738)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 東シナ海域 / 境界領域 / 共同祭祀 / 信仰実践 / 女性 / ジェンダー / 文化伝統 / 宗教的観念 / 生活文化の伝統とコミュニケーション / 国民国家の相対化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日韓中の境界領域で女性を中心に行われる村祭に注目し、その事例比較を通して東シナ海域の文化伝統を再考することにある。 具体的には、五島列島(日本・長崎県)、済州島(韓国・済州道)、舟山群島(中国・浙江省)・南台島(福建省福州市)を中心に今日の国境をこえた文化交流の痕跡が見られる島々の村落でフィールドワークを行う。そして、人々の日常生活を支える諸文脈(自然環境、生業、人間関係・集団等)や国家の支配を受けてきた村落の歴史に関する調査データをジェンダーの視座から考慮し、女性主体の共同祭祀を支える宗教的観念を比較検討する。さらに、海域共通の基層文化やコミュニケーションについて考察する。
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研究実績の概要 |
2022年度も、2020年度からの新型コロナウイルス感染に係る行動規制や水際対策等への諸対応が求められたため、国内外で、女性主体の共同祭祀や信仰実践に関する現地調査とそれに基づくデータ収集を実施することができなかった。そのため、昨年度に引き続き、文献研究を中心に行った。本研究にとって検討が必要な先行研究をはじめ、諸文献の収集・検討をさらに行い、昨年度示した4つの観点から、これらのデータベース化をさらに推進させ、4つの観点の記述自体も以下の通り更新した。 一つ目は、日韓中の境界領域となる地域での女性主体の信仰実践に関するフィールドデータを吟味する上で必要となる、歴史的・地域的文脈を理解するための文献の検討である。二つ目は、近年の文化人類学において、「マルチスピーシーズ人類学」といわれ始めた脱人間中心主義的な理論的動向に関する文献の検討、また、その動向をより深く理解する上で重要だと改めて認識したレヴィ=ストロースの研究に関する文献検討である。 三つ目は、アニミズムや宗教概念の再考に関する近年の研究、日本における死者と霊性の問題、民間信仰に関する研究、さらに無縁供養や「無縁」概念を検討している民俗学、宗教学や歴史学の文献検討である。 四つ目は、ジェンダーと宗教、共同体の関係を考える上で示唆を受けた文献『苦海・浄土・日本:石牟礼道子 もだえ神の精神』(田中優子著、2020年)とそこから読み進めている石牟礼道子の著作やそれに関する研究の検討である。 以上の作業により、ある程度まとまった考えがでてきたので、「共同体と無縁:女性の信仰実践」というタイトルの論文原稿を準備していった。今年度(2022年度)は発表する機会を失ったが、2023年5月中旬にその成果を元にした集中講義を非常勤先で行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度も2020年度からの新型コロナウイルス感染状況が収束しておらず、それに係る行動規制、また外国出張は出入国時をはじめ諸対応が求められ、当初予定していた国内外での現地調査ができなくなったためである。さらに、所属機関における教育・運営上の諸業務や体調面での諸事情が重なり、文献研究の成果に関する発表ができなかっためである。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染状況も収束に向かっているようなので、次年度は、これまで実施できなかった国内外での現地調査を実施し、本研究を推進させていきたい。現時点では、日本国内と韓国での調査は可能であると考えるが、中国での調査は、新型コロナウイルス感染状況だけでなく、中国の政策等を加味する必要があるため、現地調査の可否については現地の研究者等からの助言なども踏まえ慎重に検討したい。もし中国での現地調査が不可能な場合は、文献調査をはじめ現地に行かない形での調査研究に切り替えることとする。また、万一、日本と韓国でも現地調査が困難になった場合は、代替措置として引き続き、現地に関する文献研究をはじめ、現地に行かない形での調査研究を推進することとする。次年度は、昨年発表する予定で作成していた論文原稿を完成させていくとともに、この間の研究成果を発表・出版していきたいと考える。
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