研究課題/領域番号 |
20K12374
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
久保 中央 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (60347440)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | チャ / 伝播 / DNAマーカー / 在来種 / 品種 / 伝来・伝播 / DNA型 |
研究開始時の研究の概要 |
チャは中国から世界中に伝播し、その経路は「茶の道(ティーロード)」と呼ばれている。日本では、鎌倉時代に「中国→九州→京都→他地域」の基本的経路を辿って本格的栽培が始まったとされる。しかし、日本国内のチャの伝来と伝播には未だ謎が多い。 本研究では、「中国→九州→京都→他地域」の経路の検証を目的として、九州北部のチャのDNA型分析を行い、日本におけるチャの伝来と伝播の経路(日本のティーロード)をDNAレベルで解明する。加えて、幕末の標本や国内の古木を分析し、チャの伝播に関する時間的指標を得る。
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研究成果の概要 |
日本におけるチャの伝播(ティーロード)を推定するため、国内外のチャ在来種や品種をSSRマーカー9座で遺伝的特徴を解析した。特に、伝播の窓口となった可能性のある九州北部の在来種を解析に追加し樹形図を作製した。その結果、九州北部と他地域の系統の多くは京都を含む在来種グループに含まれた。九州北部の系統は、グループ内で離れて分布し、遺伝的な差異が示唆された。また、DNA型分析の過程で、国内のチャ79品種の親子関係を明らかにした。具体的には、37品種(12品種の両親および25品種の片親)の親子関係を同定・確認することが出来た。うち、これまで花粉親が不明だった5品種について、本研究で親品種を新規同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本のチャ伝来と伝播の基本的経路を明らかにすることで、我々の食事と共に発展してきた飲料である茶の成り立ちが解明され、日本の食文化、特に「和食」への理解が深化する。実用面では、在来種は茶の育成にとって貴重な素材であり、その遺伝的特徴の把握が重要である。本研究のデータは、将来、味や健康成分等と相関するDNA配列の探索にも応用できる。加えて、国内の茶価格が低迷し、海外シェアが中国産緑茶に圧迫されている中、日本のチャの成立や特徴を裏付けた科学的データを発信することで、茶産業の振興を通じた地方創生や国内外の販路拡大、日本のチャの世界的プレゼンス向上に貢献できる可能性がある。
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